突然現れて、私たちをギョッとさせる憎きヤツら。一体、どこから入ってくるのか、害虫駆除の専門家とお掃除アドバイザーに、侵入ルートと対策を聞いた。
5月にもかかわらず、真夏日が続出している今年は、虫たちの動きがより活発になる恐れも。害虫に詳しい小松謙之さんは語る。
「ゴキブリやカメムシ、コバエは今ごろから夏にかけて出産ラッシュを迎えます。ゴキブリなど害虫の産卵場所として要注意なのが段ボール。フリマなど個人売買で使い回される段ボールには、虫の卵がついている可能性も。玄関の扉外面に虫が止まっていると人の出入りと一緒に侵入することもあります。玄関に加え、虫の侵入箇所で多いのが配水管や網戸のすき間。コバエ類はわずかなすき間からも潜り込みます。また、家の外周やベランダにたくさん物を置くことで、ゴキブリやクモ類のすみかに。観葉植物の土からはコバエ類、植木鉢にたまった雨水はボウフラの発生源に」(小松さん、以下同)
洗濯物に虫がついて家に入ることもあるという。
「洗濯物はカメムシなどの虫にとって止まりやすく、足先の爪でしっかりしがみつくため、手で払ったくらいでは取れにくく、カメムシは無理に取ろうとすると悪臭を放つので、見つけたら専用の殺虫剤で駆除しましょう」
虫がすみついてからの対処は困難。虫を入れない、育たせない、早期対策で、この夏を快適に過ごそう。
■害虫の侵入ルートと対策
【1】玄関:玄関前で入り待ちしている
「周辺に物を置くと、虫が潜んで卵を産み繁殖する原因に。玄関前で虫たちは家に入る機会をうかがっています。玄関は“暗い、ジメジメ、臭う”という虫にとってすみ心地のよい環境。臭いと湿気がこもる靴の収納には、紙箱は使用せず穴の開いた風通しのいいケースを。ぬれたままの傘立ても危険。傘は外で干しましょう。人やペットについて侵入することもあるので、帰宅時は体を軽く払ってから家に入る習慣を」(伊藤さん、以下同)
《外に物を置かない》
玄関周りに物を置くと虫が潜み、家の中に入るリスクを高める。何も置かないで
《傘は外にかける》
傘立ての中はジメジメ度MAX。傘は玄関の外に傘掛け用フックをつけて収納を
《蚊帳をつける》
ドアが開けば害虫も入りやすい。テープで貼れるのれんの蚊帳が便利
【2】キッチン:水滴や食品カスは虫のエサに
「ゴキブリは配水管周りのすき間から入ってシンクの水を飲み、食べカスをエサにします。キッチン周りの水滴は残さず、生ゴミは汁が出ないようしっかり密封してから捨てましょう。バナナなどの果物もコバエがわく原因になるので冷蔵庫で保管したほうが◎。キッチンの引き出しの中や敷きっぱなしのマットの下に落ちている食品カス、ベタベタの油汚れも虫たちの大好物。夜、洗い物を放置するのは虫たちを餌付けしているようなものです」
《プラゴミは洗い、生ゴミは2重に》
トレー類は洗ってから、生ゴミは袋を2重にして密封し、汁を出さないように捨てる
《シンクには水滴を残さない》
ゴキブリは夜、水を飲みにシンクに来る。水滴を拭きスポンジはつるそう
《乾物は2重密閉にして縦収納に》
クリップで閉じジッパー付き袋に。袋を横にして重ねると虫のすみかになるので縦に保管
