春に加速する薄毛。放置すると慢性化し、髪のボリュームがさらに減ることも。お金も手間もかかる、とつい敬遠しがちだが…。
「寒暖差による自律神経の乱れ、新生活や年度末、花粉症などストレスなどが引き金となり、春は、一時的に抜け毛が増えやすい季節。そんな女性の薄毛は、早めの対策をすることで8割以上は治ります」
そう語るのは、なおみ皮フ科クリニック(岐阜県岐阜市)の院長、梶田尚美先生。美肌をつくるプロフェッショナルである美容皮膚科医の梶田先生が薄毛治療をはじめたのは、自身が出産後の抜け毛(分娩後脱毛症)で悩んだ経験から。皮膚(頭皮)の構造を熟知したうえでの施術に、1カ月で約600人もの患者が訪れるという。
「男性の薄毛の多くは男性型脱毛症(AGA)で男性ホルモンの影響によって起こりますが、女性の薄毛は、加齢や更年期、出産、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣・自律神経の乱れやストレスなど原因が多岐にわたっています。症状は大きく2つに分けられ、髪が全体的に薄くなる『びまん性脱毛症』と、髪の毛の一部がゴソッと抜け落ちる『円形脱毛症』です。そんな女性の薄毛はクリニックで治療できることがあまり知られていません。また薄毛治療にはお金がかかるという誤解も少なくありません。しかし、今では保険が適用される場合も多くなっています」
女性の薄毛治療はめざましく進化し、有効性の高い飲み薬が開発され、レーザー治療や注射療法なども選択できるという。
「なによりも、花を育てるように髪を大切に育むこと。土壌環境が花をきれいに咲かせるように、頭皮の健康を維持することが不可欠」
今回は、女性の薄毛の治療でゼロ円でもできる頭皮ケアを紹介。抜け毛の季節こそしっかり薄毛対策をはじめよう。
【洗い方・乾かし方】
「皮脂などの汚れで毛穴がふさがれると、毛根や毛母細胞の分裂を防ぎ、毛髪の成長が阻害されます」(梶田先生、以下同)
シャンプーでもっとも大切なことは毛穴の汚れをしっかり落とすこと。シャンプー剤は、毛穴をふさがずに毛髪もべたつかないノンシリコンタイプがオススメだという。「強くゴシゴシ洗うと、摩擦の刺激で毛根が弱ってしまいます。またリンスやトリートメントは地肌に直接つけないように。毛穴にはよけいなものを残さないように心がけましょう」。シャンプー後は、雑菌の繁殖を防ぐためにも、ドライヤーですぐに乾かそう。
【頭皮マッサージ】
「髪の土台である頭皮の健康に欠かせない酸素と栄養を届けるのが血液。マッサージは頭皮の血流を改善する大切なヘアケアです」
そこで、梶田先生が考案した第2関節でツボを刺激する、「グーグーマッサージ」がオススメだ。心地よいと感じるポイントを“イタ気持ちよい”程度で刺激するのがポイント。頭の前側は机などにひじをついて行うと、より力が入るため効果的。テレビを見ながらなど、いつでもどこでもやってみよう。
【食べ物】
毛髪を作る栄養素を積極的に補給するのも大切なヘアケア。「髪の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質の一種。肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品、卵や乳製品など質のいいタンパク質をしっかり取ることを心がけましょう」。髪の成長にはミネラルやビタミンも欠かせない。
「とりわけタンパク質を合成する亜鉛は、髪に栄養を届ける大事なミネラル。ところが、患者さんの血液検査では8割以上が亜鉛不足。亜鉛が足りないと毛髪が細くなってしまいます」。亜鉛は、カキやホタテ、鶏や豚のレバー、牛赤身肉、豚もも肉のほか、アーモンドにも多く含まれている。「バランスのいい食事に髪の毛の成長をサポートする食材を意識して加えることが大切です」
【ヘアスタイル】
「薄毛対策としてカラーリングやパーマといったオシャレを我慢するのはかえってストレスに。ただし美容師さんにお願いするときに『毛根に薬剤がつかないように』という一言を」。毛髪を強く縛ったり引っ張ったりするスタイルは毛根に圧力がかかり抜け毛の原因に。分け目もできれば2?3日に1回は変えた方がいいようだ。
【睡眠】
睡眠中には、髪を育てる成長ホルモンが脳内に分泌される。「美髪だけでなく、お肌を健やかに保つ作用もある成長ホルモンは深い睡眠時に多く分泌されます」。成長ホルモンが分泌される22時までに就寝する、通気性のよいパジャマで寝るなど、質のよい睡眠を取る工夫をすることも大事なヘアケアのひとつだ。
お金をかけずにできるケアから、春に加速する薄毛の対策をはじめよう。
画像ページ >【イラスト解説あり】毛穴の汚れをしっかり落とす「正しいシャンプーの仕方」(他2枚)
