「去年の10月に30周年ライブを開催して、これまでを見つめ直したんです。やっぱり“真飛聖”って舞台から生まれた芸名だから、原点である舞台にもう一度重きを置いて、お芝居の面白さとか、楽しさとか、好きだって気持ちを再確認するために一人芝居に臨んでいます」
4月9日から新国立劇場 小劇場で上演される一人舞台『ガールズ&ボーイズ』で、主人公の女性「わたし」を演じる真飛聖(49)。同作は、イギリスの脚本家のデニス・ケリーが‘18年に発表した一人芝居で、順風満帆に思えた女性の人生が思いがけなく崩れていく過程を通して、現代社会のゆがみが描かれるという。
舞台が原点だという真飛。‘11年に宝塚を退団すると、活躍の場を舞台ではなく映像作品にシフトした。
「宝塚時代のリフレッシュ方法はテレビを見ることでした。本当にテレビをかじりたいくらい好きで。好きな映像の世界に飛び込んでみたいと思って、チャレンジしました。
今回の舞台の話が来たのはタイミングがよくて、役者として道半ばだと感じ、演劇や舞台を通してもう一度自分を見つめ直したいと思っている時でした。
演出を担当されている稲葉賀恵さんと話していたのは、客席を巻き込んで、劇場を舞台ではなくカウンセリングルームのような空間として捉えるということ。お客さまもそれぞれ話したいことを抱えてやってきていて、たまたま私の番だから話しているというイメージで、話したことに一緒になって怒ったり、一緒になって泣いたりしながら時間を共有する。そうすることで、お客さまそれぞれの考えが浄化されたり、再構築されたりしたらいいなと思っています」
向上心を持ち続けている真飛だが、今後について聞くと――。
「31年間、真飛聖として生きてきたので 本名の自分も大切にしつつ、どちらも頑張らないことを決めたんです。
もちろん、仕事は全力で取り組みます。だけど、それ以上に頑張るなんていうのは自分の体力や実力を過信しすぎ。“まだ大丈夫、まだ大丈夫”と思っていて、一気に崩れた経験が一度あって。その時に、“私そんな強くなかった”“やっぱり人間には限界っていうのがあるぞ”ということを知りました。
休む時間も大事なので、やるときは今みたいにお芝居を思いっきりやって、1回リセットして。その時のプライベートな時間に何にもしなくても、それが最高の時間であればいいじゃないですか。
“予定があるからいい”ではなくて“ずっとパジャマで過ごしていても最高じゃない?”と言える自分。“晴れているからいい”わけではなくて、“雨だって憂いがあっていい”という考え方。四季を気づくことができる心の余裕がある生活を、いまは心掛けています」
