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12月某日 北イタリア・パドヴァ

前回は、日本における食文化のレベルがいかに高いか、世界諸地域の銘菓も、実は日本で作られたもののほうが美味しいかもしれない、なんてことを、滴り落ちそうなヨダレを我慢しながら書込みましたが、実はつい先月、実家のある北海道のお菓子屋さんから、私がパッケージのイラストを手がけた商品が発売されました。

このお菓子は千歳市の『もりもと』という会社で製造販売している『雪鶴(ゆきづる)』というものですが、今年がこのお菓子屋さんが創立65年周年、そしてこの『雪鶴』が誕生して40周年という節目で、それを記念した企画に、私も参加させていただくことになったわけです。

『雪鶴』は、表面がほんのりぱりっとした丸いスポンジケーキで、なめらかなバタークリームがサンドされていて、ちょっと『ナボナ』に似ていますが、このお菓子が誕生したあたりに、実は我々親子もこの北海道の街における暮らしをスタートさせており、私にとっては幼少期からずっと馴染みのあるお菓子でありました。

『もりもと』というお店はこの地域における人気のパン屋さんでした。あの当時は、今みたいなおしゃれなパン屋さんがあちこちにはなかった時代ですから、子どもたちはここで作られている、生クリームやチョコレートの挟まったパンを親に買ってもらうのを、いつも楽しみにしていました。そして、パンよりも更に滅多に口にすることがなかなか叶わなかったものが、同じくここで作られているケーキや、個別包装された高級なお菓子だったわけですが、あの頃に新発売された『雪鶴』は、まさに子どもたちにとっては羨望のお菓子だったのでした。

学校から帰ってくると、お母さんが専業主婦をしている家であれば、ちょっとしたおやつなどが用意されていたりするのかもしれませんが、うちは母子家庭でしかも母親が働いていたおかげで、そんな待遇があることはなく、用意された夕食を食べるまでは、外で遊んでいる間もかなり空腹に堪えなければなりませんでした。

 

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