「48時間勤務」「記憶あいまい」看護師語るコロナ現場の苦境

5月25日に首都圏と北海道の緊急事態宣言が解除された。街には徐々に人手が戻りつつある一方で、新型コロナウイルス感染の「第2波」への警戒が広がっている。

 

医療従事者からは不安の声も上がっているという。本誌は、関西地区の大学病院の感染部門で働く看護師に、感染ピーク時の経験と現在の心境を聞くことができた。

 

「感染拡大のピーク時には、感染症専門のスタッフですらマスクは1日1枚。感染症以外の病棟の看護師は3日に1枚。系列病院では1週間で1枚という有様でした。同僚に感染者が出て看護師のローテーションができずに、48時間勤務ということもありました」

 

感染のリスクだけではなく「別の意味で空気が悪かった」ことも、つらい経験だったという。

 

「感染防止のため、食事はみんな離れて座り、私語はいっさい禁止。食べ終わったらすぐにマスク。先輩たちもストレスが溜まっていて、みんながイライラしている状況もつらかったです。

 

人員のバックアップが足りない現状が改善されないまま第2波が来れば、さらに厳しい状況になるのは目に見えています。ピークのころは忙しすぎて、記憶があいまいなほどです。忘れたいというか、二度とあんな経験をするのは嫌だというのが正直な気持ちです」

 

緊急事態宣言の解除に伴い経済活動が再開しつつあるが、医療従事者にとって先行きが明るいとは言い難い状況だ。医師、看護師や介護職ら医療従事者約17万人が加入する日本医療労働者組合連合会の三浦宜子副委員長はこう語る。

 

「私たちの組合員からは『夏のボーナスが半減される』『定期昇給をストップさせられた』という声も上がっています。医療従事者の多くはコロナウイルスによって業務が激増し、休日出勤も増え自宅に帰らず働いてきたというのに、給料が減らされるというのは耐え難いものです。背景には、病院の経営状況が悪化しているという問題もあります。このままでは、第2波、第3波が来る秋ごろに経営が立ち行かなくなる病院も少なくないでしょう」

 

東京都医師会の角田徹副会長も第2波への危惧を抱いている。

 

「第1波を医療崩壊ギリギリで乗り越えられたのは、高齢者の感染が比較的少なく、全感染者のうち2割以下に留まったからです。一方で重症者の8割以上が高齢者でした。第2波で多数の高齢者が感染する事態は、絶対に避けなければなりません」

 

最前線で働く医療従事者に、手厚い支援が求められている――。

 

「女性自身」2020年6月16日号 掲載

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