旅行に行ったのに…Go Toトラベル「後から対象外」の可能性

「明日以降で申し込んでいる人でね、自分が(Go Toキャンペーンで)割引になると確実に言える人って、ひとりもいないってことですよね? だって事業者登録でいまマルになっているところどこもないわけだから」

「基本的に先生のおっしゃった通りですけど……」

「ちょっと待って、それじゃ国をあげての詐欺みたいなものだよ!」

 

7月21日に行われた「野党合同国体ヒアリング」で、立憲民主党の黒岩宇洋衆議院議員(53)と観光庁の担当者の間で、こんな驚きのやり取りがあった。7月22日から行われるGo Toトラベルキャンペーン。だが、割引になると見込んで旅行に行ったのに、後から割引の対象外だったというような事態に陥る可能性があるのだ。

 

Go Toトラベルでは旅行代金の半額、最大2万円が支援される。この事業の対象となる宿泊施設は「参加事業者登録」が必要だ。宿泊者全員の検温や本人確認、共用施設の換気や消毒の徹底など、参加条件が細かく設定されているが、それが守られていない場合は登録が認めらないことになっている。だが、宿泊施設の登録申請が始まったのは、なんと7月21日から。つまり、現時点で、どの宿泊施設がキャンペーンの対象になるかは確定していないというのだ。

 

観光庁の担当者がこの日程を明かした途端、ヒアリングに出席した議員からは「えっ、登録は今日から!?」「(Go Toトラベルは)明日から始まるんじゃないんですか?」といった戸惑いの声が挙がった。「割り引かれると思っていたのに、今日から登録ということは、いざフタを開けたら(宿泊施設が)割引の対象じゃないってこともあり得るってことか?」という野党議員の質問に、担当者は「そうですね」と答えた。

 

実際に料金の割引が始まるのは最速で7月27日だという。「22日から27日までの間は宿泊したことを旅行者が証明して還付という形で旅行代金の割引支援を行いたい」(観光庁担当者)というが、宿泊した施設の「参加事業者登録」が認められなかった場合、還付が行われない可能性があるということになる。

 

このヒアリングではさらなる杜撰な運用方針が明らかになった。東京居住者の旅行はキャンペーンの対象外になっているが、出身地から住民票を移していない都内在住の学生など、居住実態と書類上の住所が一致していない場合は多々ある。出席議員からの「居住実態よりも(免許証などで)どこに本籍があるか証明されればいいのか」という質問に対して、観光庁の担当者は「はい、そうです」と明言。実際には都内に住んでいても、証明書などの住所が都外であれば問題ないみたいなのだが、新型コロナウイルスは免許証の住所を読めるということなのか。

 

さらに、「若者や高齢者による団体旅行」も対象外になっているが、何歳からが若者や高齢者で、何人からが団体旅行かという定義はなく、「年齢とか人数というより、感染予防対策がしっかりできているかでチェックする」(観光庁担当者)という。

 

「感染予防対策を徹底していると称すれば若者および高齢者の団体旅行も対象になるのか?」と問われると、「そのような考え方です」と認める。それならば、年齢などで区切る必要はなく、最初から「感染予防対策の有無」を条件にすればいいと思うのだが……。

 

7月23日からの連休に間に合わせるために、見切り発車で始まったようにみえるGo Toトラベルキャンペーン。宿泊先でクラスターが出た場合の責任の所在を問われて、「宿泊事業者や旅行事業者に感染防止対策をしっかりやっていただきたい」と答えた観光庁。政府が責任を取るつもりがないことだけははっきりしているようだ。

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