■扇風機を使って強制的に空気を押し出す換気を
マスクのほかに声明で提言されたのが“機械的換気”の活用。空気清浄機のほか、夏季や冬季の冷暖房効果を失いにくい熱交換換気装置など、科学技術を駆使したさまざまな換気法を積極的に取り入れるべき、ということだ。
清水教授は、私たちにとっても身近な“機械”を使った換気を教えてくれた。扇風機を使う方法だ。
「特に夏場に用いやすい方法ですが、扇風機で強制的に部屋の空気を押し出すのです。窓やドアなどの空気の出入り口を10〜15cmほど開けて、出入り口を結ぶ直線上に扇風機を置き、出口に向けて強い風を送るだけです。
窓がない場合には、空気清浄機と扇風機を併用するとよいしょう。いまの清浄機は高性能で、よほどの安価なものでなければウイルスを除去できる性能があるのですが、ただ置いておくだけでは清浄機の周囲の空気しか循環しないので、部屋の空気を清浄機のほうに流す必要があるのです。
ポイントは“空気をどう手なずけるか”。部屋全体で空気の流れを作って、人の周りでよどませないようにするのです。
こうした換気を職場や飲食店などで実施するなら、たばこや線香などを使って空気がどう流れるか実験してみるといいと思います」
マスクにしても換気にしても、個人レベルですぐにでもできる予防策だ。それら“小さな対策”を徹底するよう政府が国民に呼びかけるべき、というのも今回の声明の意図だ。
「いままでの日本のコロナ対策はどちらかというと政治的、行政的でした。そうではなく“科学で考えましょう”というのが今回の声明。コロナを収束させるために、いまこそ科学的に考え、科学的に対策を講じるべきです」(清水教授)
科学的な予防でコロナ禍が終わる日が来ることを祈りたいーー。
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