米軍関係者は治外法権…オミクロン株の感染爆発の裏に「日米地位協定」
画像を見る

 

■米軍の“事故”は裁かれない

 

日米地位協定の矛盾は、感染対策に限ったことではない。

 

「米軍関係者が日本国内で事件を起こしても、“公務中”であれば、アメリカの法で裁かれます。いわば治外法権なのです」

 

たとえば、米軍関係者が事故などを起こしても、米軍側の“公務中”という一方的な主張のみで、刑事責任が問われないという例は多数あった。

 

また、“公務外”で犯罪を起こしても、起訴時までは身柄を引き渡さなくていいという規定のために、十分な捜査ができなかった事例も多い。

 

「じつは、アメリカ自身も、こんな古い考え方は、通用しないと考えている。米国防省のマニュアルにも、〈受入れ国の法規は、国際協定による規定がないかぎり、その国の米軍に適用される〉という趣旨が記されています」

 

しかし、今回のクラスター発生を受けても、米軍側に求めたのは、米兵の“外出制限”程度。

 

「それも“1月10日から14日間”と期間限定です。米軍の管理のずさんさのために、回復傾向にあった経済は破壊されています。『国民は非常に怒っています。日米関係は危機的な状況になっている』と、岸田文雄首相が強く抗議し、米軍に補償を求めるくらいはしないと、今回のようなことは繰り返されるでしょう」

 

これまで、基地周辺に住む人ばかり直面させられてきた日米地位協定の矛盾。今回のコロナ禍で、日本国民全員が当事者になろうとしている。

【関連画像】

関連カテゴリー: