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「今後の新型コロナウイルスの新規感染者数を試算してみると、ピークアウト後、5月以降までなだらかに減少する可能性も十分にあります。そこで大切なことは、第6波での経験を、これからのコロナとの向き合い方に生かしていくことでしょう」

 

そう語るのは、東京大学大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授。

 

まずは、図(画像参照)の急降下していく折れ線グラフを見てほしい。点線は、仲田先生らの研究グループが最新のデータをもとに算出した東京都の1日あたりの新規感染者のシミュレーションだ。

 

 

「第6波の感染状況は第5波を大きく上回りましたが、今の医療体制でもなんとか乗り切れたことの意味は大きい。東京都だけでも新規感染者が1万人を超える日が続いても、重症化した際にECMO(体外式膜型人工肺)や人工呼吸器が足らないという状況にはならない可能性が高いです」

 

コロナ禍に入ってから2年あまり。私たちは先の見えない暗闇を歩いてきたが、わずかな光が見えてきたのかもしれない。

 

「感染者数が減少していくこの春は、一度しっかり立ち止まって、これまでの感染対策を見直す時期に来ていると考えています」

 

と話すのは、政府の「基本的対処方針分科会」のメンバーで、大阪大学感染症総合教育研究拠点の大竹文雄特任教授。

 

「国内で最初にオミクロン株の感染が拡大した沖縄県のデータをみると、死亡者や入院患者は80代以上の高齢者に集中し、しかもワクチン2回目を接種した人と未接種の人とでは入院受療率においてはっきりした差がみられました。ワクチンを接種しても、オミクロン株による感染を防ぐことができないケースこそありますが、高齢者や基礎疾患のある人以外は、重症化しにくいことが明らかです。かぜのような症状で回復する人が多い一方で、リスクのある人にはいまだ重症化の可能性がある。そこをうまく切り分けて対応していく仕組みを作ることが重要です」

 

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