ラップ極上!寝たきり解消! 祖母と孫、年の差51歳のラップユニット・赤ちゃん婆ちゃん
画像を見る 自宅2階には音響設備の整った防音室も。「ライブやラップバトル前にはここやカラオケボックスに2人でこもって猛特訓します」

 

■「人生経験と度胸だけは、ぎょうさんあるから」。ユニット“赤ちゃん婆ちゃん”が爆誕!

 

「難病指定のシェーグレン症候群と末梢神経症候群という2つの重病を、同時に患っているとの診断。シェーグレン症候群は、自分の細胞で自分の細胞を攻撃してしまう免疫性の疾患やと。症状は口の中のひび割れや、全身の痛みで、一時は寝たきりにもなったり。

 

もうスーパーにも迷惑をかけたくないから、14年勤めたけど、仕方なしに辞めました」

 

がんに続いて難病まで患い、人生で初めて弱気になり、また、隠居生活を余儀なくされていた70代手前のでこ八だったが、そこに生涯最大の転機をもたらしたのが、当時15歳の孫だった。

 

中3になっていた玄武は、地元の駅近辺で行われているサイファー(ストリートで輪になりラップを競い合う)に参加しており、でこ八もラップに興味を。その思いを伝えると、孫は「おばあちゃん、そうせやるなら一緒にやろう」と背中を押してくれた。

 

やがて、MCネームも決まった。

 

「“でこ八”というのは、末広がりで縁起がいいだろうという、ほんま、思い付きから」

 

ユニット名も、また祖母の発案。“赤ちゃん婆ちゃん”という一度耳にしたら忘れられないユニークなネーミングだが、バトルに2人で出演したときには、対戦相手から、「いい大人が“赤ちゃん”かい」と突っ込まれることもあった。

 

そんなとき、でこ八は、もう韻もリズムもおかまいなしに、こう応戦。

 

〈♪何言わしとんねんアホが。婆ちゃんにとっては、いつまでたっても、かわいい赤ちゃんじゃ。それが、わからんのか〉

 

この強烈なでこ八のマシンガントークと、それを隣で温かく受けとめる玄武という、かつてないラップユニットのスタイルができあがっていった。大阪のクラブでのデビューは、’18年2月。

 

孫15歳、祖母68歳だった。

 

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