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能登半島地震の発生から1カ月がたちました。死者は240人となり、今もなお4万戸以上が断水、1万4千人以上の方が避難生活を送っています(2月2日、石川県)。1日も早い復興を祈るばかりですが、政府は1月26日に復興支援策を閣議決定。そのなかに「北陸応援割」がありました。

 

北陸応援割は石川、富山、福井、新潟の4県が対象で、1人1泊最大2万円、旅行代金の50%が補助されるもの。同一県内に2泊以上する場合は1人最大3万円、2県以上で宿泊する場合は最大3万5千円になります。

 

期間は3月ごろからゴールデンウイーク前までを予定。地震の被害が激しい能登地域は、観光客の受け入れが可能になってから割引率を70%にするなど、より手厚い支援策を行うようです。

 

ニュースなどですさまじい被害の状況を見ていると、「応援したいけど、行っても大丈夫?」と不安な方もいるでしょう。1月中の宿泊予約のキャンセルは、4県で17万件にのぼるといいます。

 

ただ被害状況は地域によって異なります。風評に惑わされず、日常が戻った地域から、現地を訪れお金を使うことが復興の後押しとなるでしょう。北陸応援割を使えばお得に旅行ができるので、大いに活用したいものです。

 

ほかにも私たちができる支援に、ふるさと納税を利用した被災自治体への寄付があります。通常のふるさと納税には返礼品がつきものですが、復興を急ぐ非常事態ですから返礼品なしのものを選んで。

 

返礼品以外は通常どおり、限度額までなら自己負担は2千円です。少しの負担で支援を届けられます。

 

Tポイントや楽天ポイントなどたまったポイントを、1ポイント=1円として寄付することもできます。Tポイントだけでも2千500万ポイントを超える寄付が集まっています(2月2日現在)。小さな支援も結集すると大きな力になります。

 

今後は、さまざまなプロジェクトが立ち上がり、クラウドファンディングが始まるでしょう。

 

クラウドファンディングとは、たとえば「地震被害にあった○○の再建」といったプロジェクトを行うNPOなどが個人から資金を集める仕組みです。プロジェクトに共感したら、支援金を送るのもいいと思います。数千円から参加できるものもたくさんあります。

 

参加すると進捗レポートなどが届くので、復興の過程がよくわかるのもうれしいところ。ただし、なかには怪しい団体も紛れているので、よく調べてご判断を。

 

被災地では被災者の救出や衣食住の確保といった初期段階から、復興の局面へと進んでいます。ですが、被害の激しい地域にもっと支援の手が入らないものかともどかしくなります。復興には費用はもちろん、建築にかかる資材も人材ももっと必要なのに、「大阪・関西万博」を進めている場合でしょうか。日本の力を最大限、復興支援に向けてほしいと願います。

経済ジャーナリスト

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