3日、東京・渋谷のシアターコクーンで、コクーン歌舞伎『佐倉義民傳』の公開舞台稽古を行った。コクーン歌舞伎とは、歌舞伎俳優の中村勘三郎(55)と演出家の串田和美(68)が中心となり、若者の町・渋谷から発信をする歌舞伎公演。斬新なアプローチでエネルギッシュに展開する内容で、歌舞伎ファンの裾野を広げる立役者ともなっている人気興行だ。11回目となる今回の公演で取り上げるのは、歌舞伎には珍しい“農民劇”、『佐倉義民傳』。江戸時代、圧政に苦しんだ領民のために名主・木内宗吾が将軍に直訴した事件を扱った物語で、1851年の初演時は熱狂的な人気を集め、3か月のロングランになったという作品。公開舞台稽古後の会見には、中村、串田、中村扇雀(50)、中村橋之助(44)、坂東彌十郎(54)、中村七之助(27)、片岡亀蔵(48)、笹野高史(61)が出席した。座頭の中村は、「“思いを伝える”という意味では義太夫もラップも同じです」と新たな挑戦に自信の表情。七之助は「(ラップは)とても魂を感じる。百姓の苦しさなどが魂になってお客様に伝われば」と意気込んだ。(撮影:柴田悟)

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