福島第一原発から30キロ圏内の緊急避難準備区域内にある、福島県南相馬市原町区。ここから出荷された牛肉から、1キロあたり500ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたのだ。これは、最大で暫定基準値の6.8倍にもなる数値だ。

牛がセシウムに汚染された原因はセシウムを含んだ稲わらを与えたためだと言われている。しかし、原町区で畜産業を営む男性は「県からも組合からも、稲わらが駄目だって聞いていなかったんです」と話した。

今回、セシウムを検出した東京都中央卸売市場食肉市場は「全部の牛に検査を行うのではなく、決められた対象のみを検査しています。福島県では牛の体表検査を行い、水やエサの安全性はチェック表をつくり、生産者ごとに聞き取り調査を行っています。こちらではそのチェック表を信頼するしかありませんでした」と語った。

農水省によると、計画的避難区域と緊急避難区域からそうした調査のみで出荷された牛は約4300頭にものぼるという。体表検査では、牛の内部被曝まではわからない。つまり、4300頭は“放射性検査なし”で出荷されてしまったのだ。

食卓に安全を取り戻すためにも、早急な国の対処が望まれる。本誌では、混乱をきわめる食肉流通の今を徹底追跡!

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