急展開がつづいている象印マホービン元副社長の尾崎宗秀さん(享年84)殺害事件。西口容疑者は、尾崎さんとは40年来の付き合いで、少年時代から母親と2人で尾崎さんの向かいに住んでいた。

「母子家庭だった西口のことを、尾崎さんは僕、僕と呼んでとてもかわいがっていた。尾崎さんには子どもがいなかったから、息子同然におもっていたのかもしれん。家族ぐるみで仲がよかった」と語るのは、尾崎さんと交流があった自治会長の森昌弘さん。

当時の西口容疑者について取材したところ、聞こえてきたのは「人懐っこくてかわいらしい」という印象だ。彼の母が亡くなったあと、西口容疑者は3千600万円の保険をかけた自宅を放火したとして04年に逮捕されている。

そんな彼の事を最後まで信じ続けた人がいる。それは、他ならぬ尾崎宗秀さんだった。

自治会長の森昌弘さんはこう語る。「放火犯として疑われていたころ、彼のことを尾崎さんは『西口がそんなことするはずがない。彼は無実や』とかばっていました。それだけに、彼が逮捕されたときの落胆ぶりは察するに余りあります」

12月1日に尾崎さんは変わり果てた姿で発見された。自宅には、争った形跡はなかったという。

森さんが続ける。「普通、西口みたいな放火犯が戻ってきたら、家には入れない。でも、もし西口が『心を入れ替えます!』と頭を地につけるくらい謝っていたとしたら……。昔のことを思い出すあまり、”親心”で家に招き入れてしまうこともあったのかもしれません。その挙げ句の犯行だとしたら、尾崎さんはさぞかし無念の気持ちを持っていたでしょう」

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