フリーランスの派遣外科医・米倉涼子がミニスカートでさっそうと大学病院を闊歩。つぎつぎと困難な手術をこなしていく『ドクターX〜外科医・大門未知子』(テレビ朝日系・木曜21時〜)。毎回視聴率17%超で、今秋のドラマ平均視聴率トップを快走中だ。
第1回放送の冒頭は次のようなものだった。
クラブで踊っている最中に倒れた男性を、居合わせた新人外科医・森本(田中圭)が腹部を触診するのだが要領を得ない。そこへ派手な容姿の女性が登場。「ダメよ、それじゃ」と無理やり患者を立たせ、ズボンとパンツを一気に引き下げた。下半身を凝視して、「鼠経ヘルニア嵌頓、救急搬送して」と告げる。その女性こそ、森本が勤務する大学病院に派遣されたフリーランスの外科医・大門未知子だった——。
米倉涼子が男の下半身に顔を突き合わせるこのシーン、ドラマの”つかみ”としては最高だったが、医師の米山公啓さんは「この程度の診断は研修医レベルかな。スーパードクター度は0点でしょう」と漏らす。それにしても大学病院に、”フリーランスの医師”なんているのだろうか?
「10年前はいませんでしたが、現在は医師の派遣会社が何社か存在するほど需要がある。おもに夜勤や休日診療の人手不足を補うためです。ただし大学病院にはいません」(米山さん)
では、ドラマのなかで大門未知子が披露した医療技術の”スゴ腕度”はどうなのか?全編を見終えた米山さんはこう話す。
「わかりやすい離れ業ばかりを並べているので、腕は低レベル、というのが実感。高度医療をおこなう本物のスーパードクターとはまったく別物だと思います。ただ”女医”という設定は新鮮ですね」
いよいよ未知子の過去が明らかになってきて、ドラマは佳境。今後どんなスーパーオペが飛び出すか、楽しみだ。