今年7月、本誌『シリーズ人間』に登場した、プリンのかぶりものがトレードマークの異色男性デュオ・東京プリンの牧野隆志さん(48)。2010年6月に「5年生存率3%」というステージⅣの肺腺がんを告知されていた。
7月の取材時には「たとえ5年しか生きられないとしても、1年を10倍濃密にして10倍楽しめば、50年分生きたことと一緒。そう考えると毎日が楽しいんです」と、前向きな言葉でインタビューを終えていた。ところが再会してみれば、9月に体調を大きく崩したのだと言う。
「突然でした。息苦しさとひどい貧血のような症状で、病院へ行くとそのまま『入院してください』と言われて。がんを告知された後、悔いのないように生きてきたつもりでおったけど、まだできてないこと、会えていない人がいっぱいいると思いました」
2カ月もの入院は、長い闘病生活のなかでも初めて。心強かったのは、妻のいづみさん(38)がいつもどおりに接してくれたことだった。「主人に合わせて対応しました。あんまり励ますのもおかしいし、わざわざ『落ち込んでいるね』というのも変だし。入院は長引いたけど、がんはコントロールされていて大丈夫と私は思ってましたから」
毎週土曜日に仙台で生放送される『あらあらかしこ』(仙台放送)のレギュラーの仕事にも12月から復帰を果たした。がんと闘う牧野さんにとって、頑張りのもととは――。
「目の前の家族、母、亡くなった父、嫁の両親、友達、外とつながれる仕事仲間……味方になってくれる人は1人でも多いほうが心強い。がんと闘ううえで、生きていくうえで、光は1つでも多いほうがいいんですね」」