数多くの話題をよんだNHKの連続テレビ小説『花子とアン』で、劇中のBGMなどの音楽を手がけたのが梶浦由記さん(49)。9月17日には、2枚目となる『花子とアン オリジナルサウンドトラック2』がリリースされた。
「約半年間にわたる放送で、140曲くらい作りました。前半の山梨時代のほのぼのとした雰囲気から、後半の悲劇的な戦争に移るなど、ドラマの背景もガラリと変わるので、楽曲作りも苦労しました」
そうした時代の変化がある中、一貫して描かれたのは、花子や蓮子などの女性の『強さ』だという。
「花子さんは戦時下でアンの翻訳をしていました。蓮子さんも、周囲から反対されながらも『自分が正しい』と思ったことに突き進みます。BGMはドラマの邪魔をしないよう、あまり目立たせずに作ることが多いのですが、今回はそうしたキャラが引き立つように工夫をしました」
花子のテーマにはバグパイプの一種であるイーリアンパイプを、ちょっと周囲から浮いた蓮子には、ハンマーダルシマーという珍しい打弦楽器を採用。キャラクターに音楽という彩りを与え、命を吹き込んだ。
ただ、最終回を迎え心残りなのが、蓮子の元夫・嘉納伝助のテーマがなかったことだという。
「30代以上の視聴者の8割の女性が、伝助ファンになったんじゃないでしょうか。金管楽器を使って、あの男らしさを表現してみたかったですね」