性暴力起こしても加害者は起用され続け…映像業界の黙殺で被害者が“悪者”に
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■理解されないという悔しさ

 

男性の性被害者である加賀氏は「必ずしも法律が“被害が実際にあったのかどうか”を判断できるわけではありません」と話す。

 

「刑罰をまぬがれている性暴力に対して『実際に起こったことではない』と判断する人たちがいます。しかし、刑罰をまぬがれているということが『被害はなかった』という証明になるわけではありません」

 

そして松江氏の件について「業界が黙殺している」といい、こう続ける。

 

「加害を黙認しているということは、被害者の立場を貶め、その名誉や尊厳を毀損する行為となり得ると私は思います。そのため加害者との利害関係を継続することが二次加害に繋がり、それ自体が強い加害性をもつ可能性があるとも考えています」

 

加賀氏には、二次被害もあったという。

 

「松江氏を告発したことで、『売名だ。金が欲しいんだろ』と言われることもありました。ですが、彼を告発したところで名前が売れたり金銭的な利益につながったりするはずがありません。むしろ、告発することの精神的なリスクやコストが大きすぎます。

 

また『頭がおかしい』と言われたり。加害者を擁護するTwitterの匿名アカウントが僕を貶めるようなことを書いたり。その投稿に、加害者の関係者が“いいね”したり……」

 

さらに“男性の被害者”だからこそ、こんなエピソードもある。

 

「『男のくせに何言っているの?』『タダで女性と性的なことができてラッキーじゃないか』としょっちゅう言われました。『そういう問題じゃないのに』と思っていましたが、当時は男性が性被害に遭った苦しみを吐露しても、今より真剣に受け止められませんでした。ですから、相手も悪意なく“シモの話”として片付けてしまう……。

 

どれほど言葉を尽くしても、言われたことに反論しても、真剣に話を聞いてもらえないんですよね。弁護士さんに相談した時も同じで“理解されない”という悔しさがありましたし、自分の尊厳が損なわれているような気持ちにもなりました」

 

最後に加賀氏は、なくす会を通して映像業界に求めることを語った。

 

「性暴力と労働問題は密接に関わっています。過酷な労働環境が当たり前の現場も多いです。そういった状況を背景とした性暴力も起きています。そして、加害者が起用され続け、性暴力が黙殺されることもあるんです。

 

業界が混沌としているので、まずルールやガイドラインのようなものが必要だと感じています。それは、被害者の孤立化を防ぐことにも繋がると思います」

 

被害者の思いを汲み、少しでも寄り添いたいーー。「なくす会」のファーストカットは、まだ始まったばかりだ。

出典元:

WEB女性自身

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