朗読劇の稽古では自ら明るいムードを作る一方、台本に赤ペンで熱心に書き込む姿も 画像を見る

【中編】泉ピン子語ったえなりかずきの“共演拒否”騒動への思い「悪口を言われても気にしない」から続く

 

「ママ」と慕う恩人である橋田壽賀子さん(享年95)を昨年看取ったことで自身の終活についても考え始めたという泉ピン子(74)。夫婦の間に実子のいないピン子は、当然の備えとして、自分の死後に夫が残されたときのことまで考えている、と打ち明ける。

 

「熱海のマンションは私の名義で、私がいなくなって死後離婚もあるかもしれないけど(笑)、夫は住まわせてあげるし、お墓にも入れてあげる。でも、彼が死んで、私の財産が向こうの親族に行くのは、皿1枚だってイヤ。それは、最初から結婚に猛反対されたってことがある。

 

だから今、私の財産を信託にすることも考えて、誰か引き継ぐのにふさわしい人を探しているというのも本当です。でも、この気持ちは、日本中の奥さんたちが同意してくれるんじゃないかしら。だから、次世代の子供たちの育英基金への寄付なども真剣に考えてます。

 

私の親族へ? これもお断り。私が売れなくてひもじい思いをしてたとき、誰か一人でも『小夜ちゃん、そばでも食べていきな』って言ってくれた人がいますか?」

 

終活の一環として、自宅から車で10分という場所に墓を購入したのは一昨年。淡いピンク色の御影石は、彼女の希望で取り寄せた。

 

「『建立泉ピン子』になっているのはなぜかというと、自分が建てたのに、私の名前ではお墓に入らないわけでしょう。どこかに『泉ピン子』の名前を残したかった。でも、裏に小さく入るとは思わなかった。前面に大きく、と指定すればよかったかしら(笑)。

 

主人の九州の墓に入るのは、これも遠慮したい。死んだ後なのに、墓の中のご先祖たちに『東京から来ました。武本の嫁です』って挨拶していくだけで10年もかかっちゃいそう(笑)」

 

とはいえ、ご主人とは、ほどよい距離感のまま、変わらずに「いい関係」を保っているようだ。

 

「夫も、コロナもあって通勤が大変で、去年からは、都内にある自分のクリニック近くのマンションから熱海に帰るのは週末だけ。えっ、明日は土曜? まだ金曜か。よかった、もう1日ラクできる。

 

だって、頭に来るわよ。丸1日かけて食事を準備しても、たった10分で食いやがる(笑)。九州の人間だから、酒ばっかり飲んでるし。でもね、もう腹も立てない。74と71。この年になったら楽しさとか明るさって、自分から見つけるもんじゃないかと思ってる。

 

今回、仕事の関係で今日まで4日間、私も東京に泊まってたの。昨夜、彼と夜ごはんを一緒にとなって、珍しく手なんかつないで、銀座界隈の若い人が行くようなイタメシ屋に入った。『小夜ちゃん、ピザでも頼めば』って夫が言って、私は、『そんなに、入んないよ』で、1千980円のパスタを半分コして食べながら、ふと思う。この人が死んだら、私、泣くかな、泣かないだろうな……。

 

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