パクチー。本誌街頭調査で100人に聞いたところ、50%が「好き」と、「嫌い」の41%を上回った。そして「好き」という人は、ほぼ例外なく「大好き!」と答えた。巷は空前のパクチーブームなのである。

 

このパクチー、意外なほどの「若返り」効果のある美容野菜。自らもパクチー大好きという栄養学博士の井出留美先生が教えてくれた。

 

「『アンチエイジング(抗酸化作用)にもっとも優れているのはβ-カロテン。その含有量は、緑黄色野菜の代表ともいえるほうれん草やかぼちゃとほぼ同じです。β-カロテンは、老化の原因といわれている活性酸素を除去し、細胞を活性化させる働きがあります。皮膚や髪、粘膜を健康に保ってくれるので若々しい体づくりには必須なんです。β-カロテンはパクチーの葉の部分に特にたくさん含まれています。生活習慣病の予防効果もあるんですよ」

 

つぎにデトックス効果。パクチーには、体内に蓄積している有害なミネラルや重金属を排出させる働きがあるという。

 

「排ガスや大気汚染、環境汚染で、鉛やアルミニウムといった有害な重金属を、私たちは知らず知らずのうちに体内に取り込んでいます。それらを排出する働きを『キレート作用』といいますが、パクチーに含まれる硫黄化合物(硫化アリル)が『キレート作用』を引き起こします」

 

重金属が体内に蓄積されると、疲労感、体のだるさ、不眠、うつなどの症状が出てくる。心身の不調を実感している人は、パクチーを定期的に摂取してみてはいかがだろう。だが、エスニック料理にちょこんとのったトッピングを食べる程度では、パクチーの素晴らしい効果を享受できない。定期的にまとまった量を摂取する必要があるということで、井手先生にパクチーと相性のよい食材と、効果的な食べ方を教えてもらった。

 

「β-カロテンの吸収力を高めるには、油と一緒に摂取するとよいので、パクチーにオリーブオイルやごま油などをかけるのがいいと思います。また、タンパク質との相性がいいので、豚しゃぶや、ラム肉を使った料理の付け合せにも最適です。臭みを取るので魚料理もおすすめですね。デトックス効果を高めたいときは、ねぎ類を一緒に取りましょう。玉ねぎやねぎ、にらやにんにくなど、ネギ属のからみ成分であるアリシンが、キレート作用をさらに高めてくれますよ」

 

エネルギーは100gで22キロカロリーと、いくら食べても太る心配はない。生き生きと美しく年を取るために、今日からたっぷりパクチーをたべよう!

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