「私が見かけた“ババ見え”の50代女性は、娘とまったくおそろいのコーデだった母親。若いコと同じ格好をすると、かえってはっきりと細部の違いがわかり、痛々しい感じになってしまうんです」
そう話すのは、スタイリストとして30年のキャリアを持ち、テレビ、雑誌、トークショーなどで活躍中の地曳いく子さん。アンチエイジングをうたう化粧品も続々と発売され「若見え」を意識する女性のための“美魔女ビジネス”は花盛り。少しでも「若く見せたい」と願う40〜50代が増えている。
でも、頑張れば頑張るほどよけいに老けて見える「ババ見え」になってしまう人も……。そこで、スタイリストとして30年のキャリアを持ち、テレビ、雑誌、トークショーなどで活躍中の地曳いく子さんに、改善すべき「ババ見えコーデ」のポイントを教えてもらった。
【1】靴と服のアンバランス
「年齢による気持ちの変化や体力の低下により、ヒールの高さは7cm→5cm→歩く日はペタンコと低くなっていくもの。ウエアばかり気合を入れて、靴と服がアンバランスになっている人がいます。『若見えテク』としては、定番のスカートに旬のスニーカーを合わせてみて。ナイキ、ニューバランス、コンバース、パトリックあたりで、色は白、グレー、黒を選びましょう」
【2】イケていた時代を再現
「体重の増減がなくても目には見えない経年劣化は必ずある。どんなに体のラインに自信があっても昔と同じピタッとした服などを着るのは危険です。ただし、ミニスカートは膝が崩れていなければいくつになってもはいてOK」
【3】定番だからと着続ける
「定番の服も毎年のようにアップデートしています。シルエットが全然違うのに、同じだと思っているのは感性がおばさん化している証拠です。ベーシックなものほど買い換えが必要。定番のボーダーも幅や色など変わったデザインのものを選ぶなどの工夫を」
【4】顔周りのジャラジャラ
「顔周りが寂しくなってきたからと、大ぶりのイヤリングやネックレスなど派手なもので盛る人がいますが、あれはアウト! ほとんどのケースで、顔がアクセに負けてより寂しくなります」
【5】ビンテージ感をアピール
「顔がビンテージになってきているのだから、ビンテージ感のあるものを着るとダブルで古くさい(笑)。単に昔の人になってしまうので気をつけて。流行が巡ってきても昔の服を引っ張り出すのはダメ」
【6】キャピキャピ色おばさん
「華やかな色はよいのですが、キャピキャピした子どもっぽいものを着たり、身につけたりすると、若い人たちから“ラブリーババア”の烙印を押されます。ちなみに白やオフホワイト、クリームは顔周りを明るく見せてくれるので、おすすめ」
【7】顔の近くにくすんだ色
「薄い紺色など、一見きれいだけどくすみが入っているような色は、顔色がさらにくすんでしまうので避けたほうがよいでしょう」
【8】全身若いコと同じ格好
「若い人向けのウエアをコーデの中に取り入れるのはアリ。でも近ごろの“母娘でおそろい”はキケン。大抵の人は若いコと比べられて負けるだけ。どこかに1点投入する程度にとどめておくのが正解です」
【9】バリエを求めすぎ
「いろんなテイストに挑戦すると『似合わないもの』が出てくるのは当然。無理せず自分に合ったもの、好きなものだけを着ましょう。毎日同じと思われたって、素敵に見えるほうが大事です。スタイルの確立にもなります」
【10】素材の質感が古くさい
「流行りの『質感』は3年でガラッと変わります。質感が違うだけで、同じデザインでも古く感じてしまいますよ。『まだ着られる』という感覚は捨てて。10年たった服やおととしと去年袖を通さなかった服は、思い切って処分を」
地曳さんの解説を参考に、自分の姿を鏡で見てみよう。あなたは大丈夫?