体の“サビ”と同じように、老化を加速させるのが“コゲ”。そのリスクが、じつは毎日の食卓に潜んでいる――。

 

「体の“酸化”という言葉が聞かれるようになって久しいですが、今、アンチエイジングの世界でより注目されているのは、“糖化”というキーワードです」

 

アンチエイジング・糖尿病に詳しいAGE牧田クリニックの院長、牧田善二先生はそう話す。

 

「酸化は体を“サビ”させるものとして知られていますが、糖化は体を“コゲ”させる現象です。女性の場合は特に、40代を過ぎると老化が加速してしまいます。しかし、食事に気をつけることで、そのスピードを遅くすることもできるのです」(牧田先生・以下同)

 

糖化とは、体内で糖質と結びついたタンパク質が劣化することをいう。劣化したタンパク質が細胞内にたまると、それが細胞の劣化を招いてしまうのだ。

 

「糖化は、熱を加えた食品を食べることで起こります。食品に熱を加えると、『AGE』と呼ばれる物質が発生します。これが細胞の柔軟性を失わせる元凶なのですが、このAGEを多く含む食品を取ると、糖化の速度が上がります」

 

糖化が進んだ結果としてわかりやすいのが、シミ・シワなどの皮膚の老化。シミは糖化が表面化したもので、シワは細胞に弾力がなくなった結果として現れる。そのほかにも、血管の細胞の弾力が失われることで、動脈硬化や、がん、アルツハイマー病、白内障といったさまざまな病気のリスクも高まってしまうという。

 

AGEは、KU(キロユニット)という単位で示される。生のままよりゆでたもの、ゆでたものより焼いたもの、焼いたものより揚げたもの……と、見た目に焦げ色が付きやすい調理をされたものほど、KU値が高くなる。

 

たとえば、食パンはそのままで食べると1食相当のAGEは7KUだが、トーストにすると25KUとなる。マグロの刺身は705KUでも、焼くと827KU、さらに醤油につけた照り焼きにすると4,602KUに跳ね上がる。

 

「AGEに関して言えば、意外かもしれませんが、白米や食パンの数値は低めです。タンパク質については同じ食材でも調理法によって数値が大きく変わってきます。乳製品の場合、牛乳やヨーグルトはAGEの数値が低いのですが、パルメザンチーズやクリームチーズは高くなります」

 

糖化を抑えるため、1日のAGE摂取量は1万KU以下に抑えるのが理想だという。そのためにも、牧田先生が「これだけは避けたい」という食品はフランクフルトソーセージ(6,736KU)とベーコン(5,865KU)。一品で大量のAGEを取ることになってしまう。

 

とはいえ、いちいち頭の中で足し算をしながら食べるのも、ちょっと面倒なのが正直なところ……。

 

「そういうときは、糖化を食い止めてくれる食品、すなわち抗糖化食品を食事に取り入れるようにしましょう。AGEを引き算できる代表格はレモンや酢です。揚げ物や焼き物はAGEが高いですが、これらにレモン汁をかけたり、煮炊きする料理には酢を加えたり、マリネすることで、AGEを半減させることもできます」

 

そのほかにもポリフェノールを含む赤ワインやブルーベリー、キウイ、高カカオチョコレート、ビタミンやカロテンが豊富な緑黄色野菜や果物などが抗糖化食品として挙げられるそうだ。

 

「私たちの体の細胞は、関節軟骨のように生まれ変わるのに100年以上かかるものもあれば、皮膚のように数週間で生まれ変わる組織もあります。私の患者さんには、食生活を変えていくうちに体内のAGEが減少し、肌が若返った人が何人もいらっしゃいます」

 

体の“コゲ”に気をつけて、若々しさをキープしよう!