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ヨーグルトや甘酒、納豆、みそ……そして、本誌でも紹介して注目を集めた「発酵たまねぎ」「発酵しょうが」など、おいしいだけでなく健康効果もあると、ますます需要が高まっている発酵食品。加えて近ごろは“肌が食べる”として「発酵コスメ」を手に取る女性が増えている。

 

発酵が体にいいことは、なんとなくはわかっているが、そもそもどんなメカニズムなのだろう? 皮膚美容に詳しく、スキンケアブランド「アンプルール」でコメ発酵液によるコスメ開発にも携わった高瀬聡子先生に話をうかがった。

 

「発酵とは、簡単にいえば麹菌や乳酸菌といった微生物の力で、成分を人間にとって有益な形に変化させること。牛乳が乳酸菌の力でヨーグルトに、大豆が麹菌の力でみそになるなど、具体的に想像するとわかりやすいと思います」

 

発酵によってもとの食材とは違う味わいが生まれ、栄養価が高まり、消化吸収もよくなる。さらには腸内環境を整え、生活習慣病の予防や免疫力を上げる効果もあることは知られてきているが、いったい肌にはどんなメリットがあるのだろうか。高瀬先生によると、発酵コスメのおもな利点は4つあるという。

 

【1】肌のターンオーバーを促進

 

「老化とは、紫外線による光老化も含め、新しい肌細胞をつくり出す力が落ちて代謝がにぶくなることがいちばんの原因ですが、発酵によって生まれた成分には、代謝を促す働きがあるのです」(高瀬先生・以下同)

 

【2】肌をやわらかくしてくれる

 

「たとえばヨーグルトや甘酒などの発酵食品が肉や魚をやわらかくする作用があるように、発酵成分にはタンパク質を分解する酵素が含まれています。肌の主成分はタンパク質ですから、発酵エキスが含まれるアイテムには、加齢で厚く硬くなった角質を分解する作用が期待できるのです」

 

【3】アンチエイジング

 

「発酵の過程でビタミンやミネラルなど美肌を助ける栄養成分が生成されるので、肌の老化にあらがう力となります」

 

【4】肌への浸透力

 

「発酵によって分子が小さく分解されるので肌に浸透しやすく、3つ目までに挙げた効果がより発揮されるのです」

 

とはいえ、やはり“菌”という響きが、肌に直接つけても大丈夫なのか、という心配を伴う。

 

「発酵によって生まれた成分は刺激物ではありませんから、加齢によってバリア機能が低下した肌にも安心です。それに、腸の中と同じように、肌にはもともと常在菌がいるので、よい菌でバランスを整えることも美肌につながると考えられます」

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