「加齢とともに毛髪の悩みが多くなるのは、女性ホルモンの減少がおもな原因。髪の成長力が落ちるので細くなってスカスカし、さらには相対的に男性ホルモンの割合が高くなるので、特に頭頂部が薄くなってくるのです」
そう話すのは、毛髪診断士の余慶尚美さん。ヘアケア商品の開発・プロデュースにも携わる立場から、年齢髪への対策とおすすめのアイテムを教えてもらった。
「紫外線やカラーリングなど、外的刺激によって髪そのものが傷んでいることもありますが、じつは、頭皮の衰えが大きな原因といえます。加齢によって代謝が下がり、血流が悪くなると、頭皮はやせてたるみます。髪悩みの上位にくる“うねり”も、毛穴のたるみ=ゆがみによって生まれるのです」
つまり、髪の状態を整えるには、まず頭皮ケアが必要なのだ。
「そこで『美容液シャンプー』が有効です。頭皮に栄養を与えてよく耕し、土壌を改善すれば、ハリとコシのある新しい毛髪を育むことができます。髪は補修しかできませんが、頭皮は筋肉同様、きたえれば必ず応えてくれますから。そして、必ず夜に洗うこと。頭皮や髪は睡眠中に修復されるので、栄養の満たされた状態で眠ることが大切です。逆にNGなのは、朝シャンプーし、生乾きのまま外出すること。キューティクルが開いたままなので、紫外線ダメージが倍増してしまいます」
正しい頭皮と髪の洗い方は次のとおり。
(1)髪は洗う前にブラッシングし、汚れを浮かす。
(2)38度くらいのお湯でやさしく予洗いする。これで髪の汚れの6~7割は落ちる。
(3)美容液シャンプーをまんべんなくつけ、まず根元でよく泡立てる。泡立ったら、できるだけ髪に摩擦を与えないように、頭皮を動かすようにマッサージしながらやさしく洗う。
(4)製品の指示に従ってシャンプーをよく洗い流し、タオルで水分を軽くとる。ぬれたままだと、その後のトリートメント効果が半減してしまう。
(5)なるべく髪に摩擦を与えないようにトリートメントをもみ込む。時間があれば5分ほどおき、よく洗い流す。
(6)タオルオフしたのち、頭皮からドライヤーで乾かす。
頭皮と髪の大敵は、自然乾燥、摩擦、そして熱。美容液シャンプーで正しくケアしたならなおさら、ダメージなく乾燥させることが大切。優秀なドライヤーは、たとえ高価でも数年使えて、驚くほど髪が変わるのを実感できる。
■美容ドライヤー
【ヤーマン】スカルプドライヤーロゼ
育成遠赤外線とマイナスイオンの力で、ダメージレスな乾燥が可能に。日本初の美容音波振動機能が頭皮の弾力性と柔軟性を高め、美容成分・育毛成分を角質層まで届けてくれる。8月にバージョンアップ予定。2万1,600円(編集部調べ)
老化を止めることはできないが、選ぶアイテムと方法によって、進行をゆるやかにすることはできる、というのが余慶さんの持論だ。
「もちろん、バランスのいい食事をとり、内側から頭皮に栄養を与えることは大前提ですが、40代からは、髪に少しだけ時間とお金をかけてほしいと思います」