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「美肌のためには、私はなにより“インナーケア”が重要だと思っています。体を内側からきれいにするには、1日3度の食事を見直すこと。それが美肌への近道です」

 

そう話すのは皮膚科医の小林智子先生。いまはお肌ツルツルの小林先生だが、実は長い間、肌の乾燥に悩まされていたという。肌悩みを抑えるために必要な栄養素とは、いったいどんなものなのだろうか?

 

「トラブルの種類にもよりますが、乾燥を抑えるにはタンパク質が大切です。ただ、タンパク質は生命維持に関わる部分から優先的に使われますから、肌の潤いを保つ『天然保湿因子』など肌の細胞にまで行き渡らせるには、たくさんのタンパク質が必要です。忙しい日の朝食はパンとコーヒーという人がいるかもしれませんが、それではタンパク質が足りません。卵や納豆、豆腐、チーズなど手軽に食べられて、肌悩みに効く“おクスリ食材”を、もっと利用するといいと思います」(小林先生・以下同)

 

ミドルエージの肌悩みは、ほかにどんなものが多いのだろう?

 

「しみやしわ、たるみでしょうか。原因はさまざまですが、糖化によるダメージが大きいでしょう。食事で取りすぎた糖は、タンパク質と結合して糖化を起こし、AGEs(終末糖化産物)を作ります。このAGEsはさまざまな病気の原因になるだけでなく、肌にも悪影響を与えます。コラーゲンが変性して弾力やハリが失われたり、肌のバリア機能が落ちてキメが低下したり。これらにも糖化が関係しています」

 

さまざまな肌トラブルに直結してしまう糖化を防ぐ手立てはないのだろうか?

 

「血糖値の急上昇を抑えるのが効果的で、GI値の低い食品を取るのがおすすめです」

 

GI値とは、その食品を食べたとき、どれくらい血糖値が上がるかを示す指標のこと。精製されていないもののほうが消化吸収に時間がかかるため、GI値が低いという。炭水化物であればうどんよりそば、白米より玄米のほうが低GIの食品となる。

 

小林先生は食事のなかでも、とりわけ重要なのは朝ごはんだと説く。

 

「朝ごはんを食べると、体内時計がリセットされて1日の始まりを認識し、体のリズムが整います。すると、自律神経も整ってきて、メンタルが安定します。さらに、朝ごはんを食べることで血糖値の急上昇を抑制できます。糖化リスクを抑えて、肌の老化や病気、肥満などの予防にもつながります。こんなにメリットの大きい朝ごはんは、まさに“食べる美容液”といえるでしょう。朝ごはんを正しく取ることが、美肌を制するいちばんの要素なのです」

 

とはいえ、朝は眠いし忙しい。正しい朝食を毎日取るのはむずかしいのでは?

 

「“正しい”ことと“手をかける”ことは違います。私の言う正しい朝食とは、その人が必要とする栄養素がもれなく取れる朝食のことです。肌悩みに効く食品の納豆や卵などは、あまり手をかけなくてもおいしく食べられて、栄養面も優秀です。そんな美肌に効くおクスリ食材を9つ挙げてみました」

 

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