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自分の老化を実感するところはいっぱいあるけれど、なかでも顕著なのは「髪」。白髪が増えたり、分け目の部分が薄くなってきたり、ケアをしているつもりでも毛質が変わってパサついてきたり……。

 

今までしてきたことは、もしかしてトラブルを招いていた? そこで、「日常の髪にまつわる習慣」の常識をQ&A。教えてくれたのは、イークリニック麻布の高橋栄里院長だ。

 

【Q1】毎日欠かさずシャンプーするほうが髪にいい?

 

「肌質や年齢など、人や生活環境にもよります。絶対に毎日洗わないといけないわけではありませんが、外に出ると汗をかいたり、ホコリなどの汚れが付着するため、それを清潔に洗い流すことは大切。毎日かどうかより、汚れがきちんと落ちているかどうかです」(高橋院長・以下同)

 

【Q2】ピンピン生えてくる白髪は抜くと増えるから、ほっとくしかない?

 

「白髪を抜くことで増えるという医学的な根拠はありませんが、白髪を抜き続けた毛根にダメージが加わると、毛が生えなくなってくる恐れがあります。白髪は根元部分から切るようにしましょう」

 

【Q3】髪も日焼けがよくないと聞くから、日傘は常にさしたほうがいい?

 

「ホルモンバランスが乱れると紫外線の影響も受けやすく、地肌への直射日光は頭皮の炎症や髪のトラブルに発展することも。日傘や帽子などで頭皮を保護しましょう」

 

【Q4】薄毛の進行を遅らせるためには、海藻をいっぱい食べる?

 

「海藻類には亜鉛や鉄分などのミネラルが豊富に含まれているので、髪にとっては大切な成分ですが、それだけをとるのではなく、ミネラル以外にもタンパク質やビタミンをバランスよく摂取するようにしましょう」

 

【Q5】頭皮マッサージをすると髪の毛が増える?

 

「マッサージだけで髪の毛が増えるという医学的な根拠はありませんが、頭皮の血行促進、代謝アップ効果があるので、リラクゼーションとして取り入れるのもよいでしょう。ただし、頭皮に過度な負担をかけないよう気をつけましょう」

 

髪の毛は、髪を作る細胞だけでなく、さまざまな細胞が相互に協力しあって作られ、成長する。ところが、加齢とともに細胞の活性化が衰えると、薄毛や白髪、うねり、パサつきなどさまざまな髪のトラブルを招くようになる。

 

女性の場合は、こうした髪のトラブルの原因がホルモンバランスのほか、ストレス、病気、極端なダイエット、カラーやパーマによる地肌へのダメージなど複合的に絡み合っていることが多く、男性に比べて改善法を導きにくいのだという。

 

更年期世代の女性は生活習慣が崩れやすくなる年代でもある。

 

「女性ホルモンの減少により更年期症状で自らの体の変化が起こりやすいのに加え、最近はこの世代でもまだ子育て中だったり、親の介護が始まったりと、日常のリズムの変化も重なり、生活習慣がなかなか整いません。これがこの世代で髪のお悩みが増えている理由のひとつでもあります」

 

【PROFILE】

高橋栄里

美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』などがある

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