たっぷり保湿がくすみの原因!63歳の皮膚科医が実証する“医学的に正しい”美肌術
画像を見る 皮膚科医・形成外科医の石井美夏先生

 

■洗顔は泡クレンジングをなじませ、こすらずに

 

シミや老け顔をつくる諸悪の根源は、肌をこすることだという。

 

「肌はこすられると、黒く厚くなっていきます。その最たるものが、ひじ。化粧水に美容液に乳液と、何度も何度も肌をこすっていると、自分の顔が“ひじ化”してしまいますよ」

 

化粧品など油性の汚れを落とすクレンジングと、ほこりや古い角質などの汚れを落とす洗顔料を使用して、W洗顔をしている人も多いだろう。

 

「過度な洗顔は、肌のうるおいのもとである皮脂や細胞間脂質、天然保湿因子を洗い流してしまい、枯れ肌に一直線です。洗顔は、W洗顔不要の泡浸透クレンジング1つにしましょう」

 

だが、洗顔1回で、しっかりメークもきちんと落ちるのだろうか?

 

「いつもより少し多めの泡クレンジングを肌にのせ、30秒~1分なじませてから、そっとすすいでください。絶対にこすってはいけません」

 

■化粧水は“ほぼ水”だから不要

 

化粧水はプチプラでもいいから、バシャバシャ浴びるほど使うのがよいと聞くが……。

 

「私は基本的に、化粧水はいらないと思っています。なぜって、化粧水の90%以上は水だから。残り数%に、しわを目立ちにくくする成分や美容液の浸透を助ける成分が入っていたとしても“肌の奥”までは届きません。洗顔のすすぎでも肌は一時的にうるおいます。“ほぼ水”の化粧水を重ねてつける必要はないでしょう」

 

大人の肌には保湿が欠かせないと、多くの人が信じている。

 

「赤ちゃんや子どもはアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそくなどを防ぐために保湿が重要ですが、大人の美容となると、たっぷり保湿は不要です」

 

皮膚にはもともと、古くなった角質層細胞が壊れたら天然保湿因子などが出て表面がしっとりする仕組みがある。また、角質層が壊れたことがシグナルとなって新陳代謝を進めるのだが、肌が保湿されすぎると、このシグナルが伝わりづらくなり、新陳代謝が進まない。結果、皮膚が生まれ変わるターンオーバーが遅くなり、肌くすみの原因になってしまう。

 

「大人の肌はややドライにして、新陳代謝を活性化させるのが、美肌への近道です。肌がみずからつくり出す皮脂を大切にして、足りない分だけ化粧品の力を借りましょう。保湿はオールインワンジェルか乳液のどちらか1つだけ。塗る量も、規定量の半分で十分です」

 

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