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「じつはもっとも加齢を感じさせるパーツが背中なんです。背中の丸みや厚みは、女性の見た目年齢に大きな影響を与えます」

 

そう話すのは、『1日3分でおなかも脚も細くなる女子のスクワット』(日本文芸社)の著者で、これまで3千人以上のトレーナー育成やアスリート指導を務めてきたスポーツトレーナーの坂詰真二さん。

 

「老け見えの原因は2つ。体脂肪が増えて筋肉が減り、体がたるむことと姿勢の悪さです。これらが原因で、背中だけでなく、わきなどにもぜい肉がつきやすくなり、お尻が垂れ、おなかが出てウエストも太くなります。さらに背中全体が丸まると、顔が前に出て首と肩がすくむんです。また、上半身を支えるために骨盤が後ろに倒れ、膝が曲がり、0脚のように外に開き、しまりのない老けたシルエットになってしまいます」(坂詰さん、以下同)

 

丸まって首が短く見える背中は“オバさん”そのもの。しかし、自分ではチェックしづらく、自覚していない女性も多いのだとか。なかには、「まだ50代なのに、後ろから『おばあさん』と声をかけられた」といった読者の声も。あなたも後ろ姿が原因で、気づかないうちに10歳以上老けて見られているかもしれない……。

 

これから薄着の季節になり、ますます目立つ「オバ背中」。若々しい後ろ姿をキープするために何をすればいいのだろうか。

 

「脂肪を減らして筋肉をつけるには、キツいトレーニングが必要で、効果が出るのに1カ月は必要です。でも、姿勢を改善すれば、その場ですぐにシルエットが変化します。ちょっと意識を変えるだけで、ウエストが引き締まって背中がすっきりと見え、首が伸び、2cm以上ヒップアップする女性も珍しくありません」

 

まずは正しい立ち姿勢のポイントを押さえておこう。

 

「足幅を狭くし、足の人さし指を正面に向けて立ちます。そうすると自然に膝が正面に。次に、お尻を引き上げるように腰を軽く前傾させる。その状態で肩を後ろに引くと、背すじがきれいに伸びます」

 

これが自然に身につくまでは、家事の合間などに、意識してこの姿勢で立つことが大切だそう。洗濯機を回した後や電子レンジの待ち時間などに30秒間、背中に集中して正しい姿勢を保ってみよう。

 

さらに、背中を丸めさせる原因として坂詰さんが指摘するのは、腹筋の硬さだ。

 

「腹筋は、肋骨から恥骨を結ぶ筋肉。腹筋の話をすると、苦しい腹筋運動をイメージしがちですが、じつは、腹筋の力は年齢を重ねてもあまり低下しません。明確に変わるのは柔軟性です。座ったままおなかを見下ろすと、多くの人はおなかが縮んで背中が丸まっているはず。腹筋が硬くなると、背骨全体が大きくカーブして背すじが伸びにくくなるんです。そのため、腹筋を鍛えるより、伸ばすストレッチのほうがラクに美しい背中を取り戻せます」

 

そこで、坂詰さんから腹筋の柔軟性をアップさせる3つの簡単なストレッチを教えてもらった。

 

「できるものからどれか1つだけでも、1週間続けると背中がすっきりしてきます。腹筋が柔らかくなればおなかがへこみ、さらに体を動かしやすくなるため、疲れにくくなるというメリットも。注意したいのは、骨盤をしっかり立てること。間違ったフォームで長時間やるより、正しく10秒キープしたほうが効果は出ます」

 

久しぶりに会った人に「後ろから見たら誰かわからなかった」なんて言われないように、ヘソを伸ばして後ろ姿美人を目指そう。

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