師走の買い出しであふれる人。カメラを手にした海外からの観光客。不景気を伝えるニュースを忘れさせてくれるように、人々の活気が息づいている街・築地。


 大通りに面した場外市場のアーケード、もんぜき通りで53年。わずか0・5坪のちいさなお店で繁盛を続けてきたのが『若葉』だ。並んだイスはわずか3つ。たいていは歩道にしつらえられた簡易カウンターで、立って食べることになる。


 冷たい風にどんぶりから立ち上る湯気が、ラーメンのあたたかさを一層ひきたてる。自分が今、市場に来ているのだと実感させてくれる。食べるところを撮りあっている、海外からの一団。ラップを張ったどんぶりを持って帰る、市場のお隣さん。両手にいっぱい袋をぶら下げた、買い物客。さすが日本一の市場。本当にいろんな人が次から次へとやってくる。人の流れが途絶えない。


 「だけど昔はこれどころの騒ぎじゃなかったですよ」、そう笑う『若葉』店主の若林吾郎さん。次々と飛んでくるお客さんの注文の声と入れ替わるように、次々に提供されていくラーメン(600円)。かつて
TV番組で時間を計ったところ、注文の声から提供まで1分と10秒だったとか。このお店に「お待たせ」の声は似合わない。

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