「選手が食べ慣れた白米だけでなく、海外ではなかなか食べられない“炊き込みご飯”を提供しており、好評です。また大事な試合を前に、プレッシャーで食べられなかったり、ストレスで体重を落としたりしてしまう選手もいますが、試合で最高のパフォーマンスを発揮するためには、持久力やエネルギーを補う糖質が必要ですので、炭水化物がしっかりとれるメニューが多くなっています。これはアスリートに限らず、受験生の食事としても応用できるのでは」

 

そう語るのは、味の素(株)「オリンピック・パラリンピック推進室」の永井敦美シニアマネージャー。

 

熱戦が繰り広げられている平昌五輪で、日本勢たちの活躍を支えているのが、選手村のそばにある栄養サポート施設『G-Road Station』。日本オリンピック委員会(JOC)が開設したこの施設では、味の素(株)の全面協力により。家庭料理を中心とした和軽食が提供されている。

 

同社は、これまでフィギュアの羽生結弦(23)や宇野昌磨(20)、宮原知子(19)などの遠征時の食事全般をサポート。ノルディック複合の渡部暁斗(31)らメダリストの栄養指導なども行ってきた。

 

『G-Road Station』はビュッフェスタイル。「豚汁」や「野菜だし鍋」など、汁物や温かい鍋が日替わりで出されている。日本人におなじみの豚汁は、試合のエネルギー源となる糖質が豊富なじゃがいもがたっぷり入っているところがポイント。

 

そこで今回、本番直前にアスリートが体調を整え、競技に必要なエネルギーを蓄えた「勝ち飯」レシピを紹介。

 

■集中力アップ「じゃがいもごろごろ豚汁」

 

エネルギー源の糖質をしっかり取れるじゃがいもが多いのがポイント。豚肉からエネルギー産出を助けるビタミンB1も取ることができる。

 

【材料】4人分

・豚もも薄切り肉…150g
・じゃがいも(メークイン)…3個
・にんじん…1/3本
・こんにゃく…1/3枚
・油揚げ…1枚
・長ねぎ…1/3本
・しょうがのすりおろし…1かけ分
・みそ…大さじ3
・サラダ油…大さじ1/2
・A(水…3と1/2カップ、「ほんだし」…小さじ山盛り1)

 

【作り方】

(1)豚肉は2センチ幅に切る。じゃがいも、にんじんは小さめのひと口大に切る。こんにゃくは1.5センチ角に切って下ゆでする。油揚げは油抜きし、タテ半分に切って1センチ幅に切る。ねぎは小口切りにする。
(2)鍋に油、しょうがを入れて熱し、香りが出てきたら、1の豚肉を加えて炒める。肉に火が通ったら、1のじゃがいも・にんじんを加えてサッと炒め、A、1のこんにゃく・油揚げを加え、アクを取りながら煮る。
(3)全体に火が通ったら、火を止め、みそを溶き入れ、1のねぎを加えて再び火にかけ、沸騰直前で火をとめる。

 

■冷え解消「だし炊きたこ飯」

 

だしがしっかりしみて、しょうがの香りが食欲を刺激。さらに体を温める効果も。ご飯をしっかり食べてエネルギーを即、補給。

 

【材料】4人分

・米…2合
・水…適量
・ゆでダコ…150g
・しょうが…2かけ(20g)
・ゆで枝豆(さやから出したもの)…50g
・A(しょうゆ…大さじ2、酒…大さじ1、「ほんだし」…小さじ山盛り2、塩「瀬戸のほんじお」…少々)

 

【作り方】

(1)米は洗って30分以上浸水し、ザルに上げて水気をきる。
(2)タコは1.5センチ幅に切る。しょうがはせん切りにする。
(3)炊飯器に1の米、Aを入れ、2合の目盛りまで水を注ぎ、2のタコ、枝豆をのせて炊く。
(4)炊き上がったら、2のしょうがを加えて軽く混ぜる。

※米3合の場合は材料を、1.5倍、米4合の場合は2倍で。

 

今回紹介した「勝ち飯」。メダリストにあやかって、ご自身の大事な勝負の前にも食べてみては?

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