メロンにまつわる「高級」「お見舞い」というイメージは、もはや過去のもの。安価な種類が多数出回るこの時代、旬の6月にこそたっぷりメロンを食すべし。食べるだけでココロもカラダもデトックスできる、ミラクル食材なのだから。
「あまり知られていませんが、メロンにはGABA(γ-アミノ酪酸)という天然アミノ酸がかなり多く含まれていることがわかっています。GABAは植物や動物、人間の体内に存在し、興奮を静めてリラクゼーション効果をもたらしたり、血圧の上昇を抑える効果があるのです」
そう教えてくれたのは、温室メロンGABAの関係について研究している静岡県農林技術研究所 品質・商品開発科の豊泉友康さん。ストレスを軽減するといわれているGABA。チョコレートなどで、その効果がうたわれている商品を見たことがある人も多いのでは?GABAは、脳や脊髄で働く、抑制性の神経伝達物質。本来なら体内で適正量が作られるものだが、ストレスや加齢により体内のGABAの量が減る傾向がある。
「体内で作られるGABAは、興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑える働きをします。つまり、ストレスなどでGABAが不足すると精神的な緊張が続き、体の不調につながります。最近では、食品から取ることで得られるリラクゼーション効果も注目されているんです」(豊泉さん)
そのほか、メロンは「デトックス」「美肌効果」「むくみ解消」「アンチエイジング」「ダイエット」「夏バテ予防」の効果が期待できるそう。そこで今回、生産量日本一の茨城県でメロンを作る深作農園の深作勝巳さんと、ベジタブルティーチャーの加藤恵美子さんの2人に見極め方や保存術を教わった。
■おいしいメロンの選び方
【1】スーパーなどでメロンを買うときは、形が左右対称で変形しておらず、均等に色づいているメロンを選ぼう。
【2】メロンのお尻を軽く押す。そのときに弾力があれば食べごろ。硬ければ未熟。
【3】網目が均一に細かく、張りがあって力強く盛り上がっているものがおいしい。
「同じ種類のメロンなら、大きすぎず小さすぎない“中くらい”の大きさのものを選びましょう。輸送日数を考慮し、スーパーなどで売られているメロンは完熟前に収穫します。追熟には、風通しがよく、直射日光が当たらない15〜20度の場所が最適です。完熟前に冷蔵庫に入れると追熟が進まないのでご注意を」(深作さん)
■メロンの切り方
メロンは頭のほうより、お尻のほうが断然甘い。
「種やワタのある中心部から底(花落ち)の部分がいちばん甘くなります。カットする際は頭のつるのほうから底に向けて切ると、甘いところを平等に分配できます」(深作さん)
甘いもの好きなら、あえて横に切って下半分の甘い部分はそのまま、上半分は冷凍して食べるのもオススメ。
■メロンの保存法
野菜や果物はエチレンという植物ホルモンの作用で成長し、熟成している。メロンは収穫後もエチレンガスを放出する果物だ。切ってしまうと追熟は止まるが、老化が進んで腐敗しやすくなる。
【1】メロンを切ったら、種やワタを取り除きラップでぴったり包んで冷蔵庫へ。
【2】カットし、密封袋に入れて冷凍保存もおすすめ。約1カ月保存可能。
「切ったメロンを保存する場合、種とワタは取ってから、空気に触れないようぴったりとラップで包み、冷蔵庫へ。種は子孫を残すために果肉から栄養を吸収するため、つけたままだと果肉の腐敗が進みます」(加藤さん)
すぐに食べないときは、カットしてから密封袋に入れ冷凍庫へ!