発酵食品が大ブームの今、びっくりするほどお手軽につくれる調味料があった。それは「発酵たまねぎ」。発酵たまねぎは、文字どおりたまねぎを発酵させたものだ。

 

「何も加えずに、コクとうまみの万能調味料ができるんですよ」と語るのは、天然酵母にこだわるパンの店「はつたもの」店主の増島智子さん。発酵たまねぎに出合ったのは10年前、ベーキングパウダーの代用として天然酵母を勉強したとき。

 

「cobo(酵母)を研究・開発する『ウエダ家』の講習会のテーマが、料理に使える“たまねぎ酵母”だったんです。家に持ち帰って定番のトマトソース煮に加えてみると、コクと風味が驚くほど増して。以来、スープや炒め物など、さまざまな料理に加えています。コンソメやだしの代わりにもなるので、もう手放せないですね」(増島さん)

 

たまねぎはもともと、料理に使いやすく体にいい野菜。「血液をサラサラにしてくれる」「疲労回復効果がある」辛み成分の『硫化アリル』や、「腸内環境を整えてくれる」善玉菌のエサになる『オリゴ糖』、腸の働きをよくする『食物繊維』など、健康効果をもたらす成分が含まれている。

 

そんなたまねぎを発酵させると、「栄養価が上がる」「栄養成分が吸収されやすくなる」などの利点が。発酵たまねぎの作り方は次のとおり。すりおろし方のコツと、安心・安全な保存方法をしっかり覚えよう。

 

■ムダの出ないすりおろし方のコツ

 

1)たまねぎは芯を残して皮をむき、芯を上に向けて半分まですりおろす。おろし金は大きめで、細かくおろせるものがよい。

2)たまねぎを横に倒して向きを変え、側面をすりおろす。角度を変えながら、六角形をつくるイメージで均等に1周させる。

3)おろす角度は1と2を繰り返し、芯に向かって実を減らしていく。層がめくれやすくなってくるので、徐々に小刻みにして。

4)最後は芯を手前に向け、奥から手前、一方向にすりおろす。たまねぎのめくれさえ防げば、芯だけ残して、すべてを下ろせる。

 

■安心・安全な保存方法

 

1)大きめの鍋に保存ビンを立てて入れ、ビンいっぱいに水を注ぐ。さらに、鍋にビンの2/3程度の高さまで水を入れ、火にかける。ビンの中までフツフツと沸いてきたら、そのまま5分加熱する。ビンの中の熱湯をフタにかけ、残りは捨てる。

2)ビンもフタも口を上にして置き、半日ほど乾燥させる。下に向けてしまうと、ビンの中に水滴がついてカビの原因になる。

3)たまねぎをビンの7〜8分目まで入れる。多すぎるとガスの勢いでフタが飛んだり、少なすぎると空気に触れて失敗しやすい。

4)ギュッとフタをして冷蔵庫で2週間……。たまねぎが少しボソッとし、色づいていたら完成。フタをあけると、発酵ガスでプシュッと音がすることもある。その日からは常温保存もOK。

 

「できあがりに2週間かかるので、ビン2〜3個分、まとめて2カ月おきにつくっています。寝かせているものは、いちばん古くて6カ月前のもの。でも、発酵しているから常温でも悪くならないんです。色の変化とともに、味もどんどん濃厚になっていきますよ」(増島さん)

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