炊飯教室が全国人気、料理人が伝授する「逆アルデンテご飯」とは

モチモチして甘味があり、ふっくら軟らかい……。「おいしいご飯」というと、一般的にはそんなイメージが浮かんでくるだろう。しかし実は、それとは真逆の“外がしっかりとしていて、中が軟らかい”逆アルデンテの状態でこそ、「最高のおいしさ」を味わうことができると語る料理人がいる。

 

「私が求めるおいしいご飯は、一粒一粒かみしめがいがあり、口の中ではらりとほどけるご飯です」

 

そう話すのは、ふだんは東京・中野で、魚とご飯が評判の和食店「ニュー柾(まさき)」を営んでいる真崎庸さん。ある日、友人から「ご飯の炊き方を教えてほしい」と頼まれて炊飯教室を行ったことが評判を呼び、北は秋田から南は大分、ときには海外にまで出向くほどの人気に。そして、その体験をまとめた『ご飯の炊き方を変えると人生が変わる』(晶文社)が出版されるや、従来の概念を覆すご飯の炊き方が、“柾式炊飯術”として話題を呼んでいる。

 

柾式炊飯術は、水分が少なく、最小限のゆで加減でうま味を引き出し、“外硬内軟”の状態に仕上げるのが特徴。

 

ご飯を炊く鍋はなんでもいいが、できれば熱伝導がよく、少し厚みのあるものが適している。大事なのは材質よりサイズで、最初は18cm程度の小さい口径の深めの鍋で、2~3合から炊いてみるのがおすすめだそう。

 

「あえて言えば、なるべく口径が小さく、背が高いものが炊きやすいです。材質は熱伝導のよい鉄やステンレスなどがおすすめ。逆に、炊飯の鍋として定番となっている土鍋は、ダイレクトな火加減調節がしにくいため、「おいしいご飯を炊く」ということに関しては優れていません」(真崎さん・以下同)

 

米も特に種類を問わないが、洗った米を1時間以上水に浸けておくのがポイント。炊飯の際は、吸水させた浸漬米をザルに上げ、計量カップに隙間なくすりきり1杯(150g)をきちんと量ることも大事だ。そして火加減は、最初から全開の強火で蓋をせずに一気に炊く。

 

「粘りを出さないパラッとしたご飯に仕上げたいので、全開の強火で着火から沸騰までの時間を短くします。沸騰まで長くかかると米のでんぷんが溶け出して粘りが強く出てしまい、残った水分を処理するために蒸らしも必要になります。柾式炊飯術は、浸漬米を強火で一気に炊くことで蒸らしがいらないというのも大きな特徴です」

 

浸漬米2~3カップの炊飯なら、沸騰まで3~4分半が目安。そして沸騰してから2分半ぐらいで泡が落ち着いてきたら蓋をするタイミングだ。蓋をしても弱火にせず、強火のまま2分ほど加熱すると、鍋底からかすかにチリチリと米が焼け始める音がしてくるので、ここで初めて強火から最小限の蛍火に絞る。

 

「従来の炊飯法は、ここで火を止め蒸らしに入るのですが、柾式では蛍火の状態で3分半置き、芯がなくなるまで火を通します」

 

着火から完成までわずか11分。味見をして中までしっかり火が通っていたらすぐにおひつに移すとよりよいそう。そのおいしさに、あなたもきっと驚くはず。

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