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ていねいな暮らしが見直されている今、日本古来の方法でていねいにつくられた「基本の調味料」を取り入れてみませんか? 大量生産とは違う個性で、いつものおうちごはんがぐっと豊かに格上げされますーー。

 

■岐阜県・内堀醸造の「臨醐山黒酢」

 

創業から140年たった今もなお、「本物の酢づくりとは何か」を追求し、新しい商品開発と品質向上を目指しているという内堀醸造。有機米を使った純米酢、黒酢、調味酢、飲用酢など、さまざまな商品を発売している。

 

広報の渡邉さんによると、最初の工程となるのが酒づくりで、もっとも大切にしていることだという。

 

「酢という文字は、酒(酉)から作る(乍)と書き、酒(酢もろみ)を原料とします。酢にしておいしいお酒は飲んでおいしいお酒とは違うため、その品質を極めるところから酢づくりは始まります」

 

その後、酢酸発酵と熟成を経て完成するが、その過程で重要となるのが、きれいな水や空気、微生物といった豊かな自然環境だ。

 

「本社工場もアルプス工場も、その意味で最適な場所。自然によって育まれたおいしさでもあります」(渡邉さん)

 

■千葉県・馬場本店酒造の「最上白味醂」

 

馬場本店酒造のある千葉・佐原は、水郷といわれるほど豊富な水に恵まれ、江戸時代から醸造業が盛んだった土地。15代目の当主、馬場善広さんによると、麹屋として創業したのが江戸初期。その後、酒とみりんをつくり始めたのは、江戸後期だという。

 

「今も当時の仕込み蔵で、麹から手づくりしています。米は昔ながらの和釜で蒸すことで芯まで熱が入り、米本来の甘みやうまみをしっかり引き出すことができます」

 

そのみりんは黄金色に輝き、しっかり甘いが切れもよい。

 

「日本酒蔵ならではの技術を生かした、ほかではまねのできない味です。この伝統の味を守り続けていく責任があると思っています」(馬場さん)

 

新しい生活様式は、「基本の調味料」から始めよう。

 

「女性自身」2020年7月14日号 掲載

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