子宮頸がん「ステージ4の生存率高い」全国がんセンターTOP3
「子宮頸がんの『兵庫県立がんセンター』藤原潔先生は2011年に『がん研有明病院』から赴任してきました。がん診療の最高峰の病院から技術を請われての赴任。活躍場所を得て、更なる期待が持てますね」
と語るのは、聖マリアンナ医科大学助教授をへて、現在は神経内科医および作家として活躍する米山公啓先生だ。今年10月、全国のがん診療の中核をなす31病院で作る『全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)』が加盟する病院ごとの5年生存率を発表し話題を呼んでいる。
「日本の医療は地域格差がなく公平というのが大前提。数字が出ると、同じがんでも病院によってかなり生存率に差があることがわかってしまう。また、それをランキング化すると、上位の病院に患者が殺到。収集がつかなくなると考えて、これまで病院ごとの生存率を発表してこなかったのだと思います」(米山先生)
今回のデータは調査方法その他に病院間でバラツキがあり、ランキングにできるものではないと名言している。だが、米山先生はこう続ける。
「たしかにがんの生存率を公平に見るのは難しい。しかし、ステージ4(より症状が進んだがん)でどれだけ成果をあげているかを見れば、医師のレベルを見るいちばんわかりやすい尺度になるでしょう。また外科というのは、とにかく経験がものを言います。子宮頸がんは全体の症例数が少ないので、下限を3年間で150症例以上実績がある病院を対象としました」
子宮頸がんにおいてステージ4の生存率が高いがんセンターを調べてみたところ、TOP3は下記の通りとなった。
1.四国がんセンター(症例数170、ステージ4の生存率42.9%)
2.兵庫県立がんセンター(症例数237、ステージ4の生存率27.7%)
3.大阪府立成人病センター(症例数151、ステージ4の生存率25.7%)
「総合生存率、ステージ4生存率ともトップの四国がんセンターが最高評価です。症例数が比較的多い兵庫県立の成績も立派。大阪府立はもう少し症例数が欲しいところですね」(米山先生)