「病気の名前は時代によって変わってきます。江戸時代にコレラが流行した時期には、かかってすぐ死んでしまうことから『コロリ』と呼ばれていました。現代でも病名はどんどん変化し続けています」と語るのは医学博士の中原英臣先生。

こんな病名があるのか?と驚くような、しかし今、知っておきたいという現代病をここでは紹介する。
なかには深刻な症状のときもある。どんな病気かを知り理解を深めていくことが大切だ。

〈クラッシュ・シンドローム〉災害時にがれきや家具に長時間挟まれていた人が、救出直後は元気だったのに、突然容体が悪化して亡くなってしまう場合がある。クラッシュ症候群は、震災をきっかけに数多く見受けられるようになった。

圧迫されて挫滅した筋肉から発生した毒素が、圧迫から開放されたことで血流にのって全身に運ばれ、臓器に致命的なダメージを与えることから、挫滅症候群の別名もある。2時間以上挟まれていた場合は早急な透析が必要になる。

〈抜毛症〉精神的なストレスなどから、正常な毛髪や眉毛を引き抜いてしまい、頭部に脱毛斑(ハゲ)ができてしまう精神疾患。10歳前後の小児がかかることが多い病気だが、まれに成人になっても続いてしまうこともある。

精神的なストレスを取り除くことができれば、簡単に治るケースが確認されている。たとえば塾やおけいこをやめたら、すぐに解決したなどの事例も。

〈ランチメイト症候群〉精神科医の町沢静夫さんがつけた名称。若い女性に多く、学校や職場でお昼にランチをともにする友人がいない=魅力がない人という思い込みが強くなりすぎ、そんな自分は人間として価値がないのではないかという恐怖と不安におそわれてしまう現代病といえる症状だ。

1人で食事をする姿を他人に見られないように、図書館などで食べる人も。またトイレに逃げ込む、あるいは仕事をやめてしまったり、学校に行けなくなるという人もいる。「1人じゃいられない症候群」という別名も……。

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