「病気の名前は時代によって変わってきます。がつて血を吐くまでせき込んで死んでしまう重い病いを『労咳』と呼んでいました。これは『結核』のことで、ヨーロッパでも原因がわかるまで強い伝染性と致死率が恐れられ『白いペスト』と呼ばれていました。現代でも病名はどんどん変化し続けています」と語るのは医学博士の中原英臣先生。

こんな病名があるのか?と驚くような、しかし今、知っておきたいという現代病をここでは紹介する。
なかには深刻な症状のときもある。どんな病気かを知り理解を深めていくことが大切だ。

〈インターネット・レイジ〉ネットサーフィンにはまりすぎてかかる人が増えている病的症状。ネットでのちょっとした情報に激怒して過激に反応するようになる。怒りをためた状態は心身に大きなダメージを与えるので注意。またストーカーや暴力に走る可能性も指摘されている。

〈おうむ返し症候群〉美容ファッション系のお店やコンビニなどでは店員に、1人が「いらっしゃいませ」などの声を発した場合、ほかのスタッフも同じように声掛けするよう接客マニュアルが徹底されているところが多い。おうむ返し症候群はそんなショップスタッフがオフ日に自分が客として出かけた先でも「ありがとうございました」という声が聞こえると、続けて言ってしまうちょっと悲しい症状。

〈猫ひっかき病〉猫の持っている菌が原因で起きる病気。猫から猫に伝染するが猫に症状は出ない。口腔粘膜や目ヤニなどに菌が存在し、猫に噛まれたりひっかかれてから10日ほどで、発熱、吐き気、関節痛などの症状が。傷に近いリンパ節が腫れることもある。ペットを飼う人が増えるのに伴い、この病気も急増中だという。

〈伝染性職業用語症候群〉仕事にどっぷり漬かって無意識に専門用語でしゃべってしまう人が増えている。ちょっと難がある人のことを見ると「ウロコな人」と言ってしまうOL(某業界でマイナス帳簿に△を記入するのでこんな表現が)、飲み会に遅刻した友人に「だからバッファー(余裕)を持って時間を決めようって言ったのに」という広告業勤務なども。心療内科では病名がつくという。

関連カテゴリー: