まぶしい日差し。紫外線対策は万全ですか? 気象庁が1990年に観測して以来、国内の紫外線量は約10%増加しているそうです。紫外線の恐怖といえば、日焼けで生じる肌トラブル。光化学スモッグ。そして、「実は血流にも悪影響を及ぼします」と語るのは、診察5年待ちといわれる順天堂大学教授の小林弘幸先生。
「1つ目は、免疫機能をつかさどる、血液中のリンパ球の働きが鈍ること。結果、免疫機能は低下。夏バテや夏風邪は、紫外線による免疫力低下が原因という場合も決して少なくありません」(小林先生・以下同)
2つ目は、活性酸素の大量発生による、血流の悪化。活性酸素とは、生きるエネルギーを体内で作るときに同時に生じてしまう、いわば「産業廃棄物」だ。
「呼吸をする限り、活性酸素はどうしても発生してしまうもの。人間の体内にはその除去装置もついているのですが、困ったことに活性酸素は紫外線を浴びすぎたときにも発生。あまりに大量だと処理しきれなくなり、やがて強い酸化力で全身の細胞を破壊し始めます」
活性酸素は血液中で、中性脂肪やコレステロールと結合して「過酸化脂質」という有毒物質に変身! 血管にベットリと張りついて、血行障害を引き起こすという。
「血流が悪くなることで、全身の細胞に栄養が行き渡らなくなり、シミ、シワ、くすみなどの肌トラブルはさらに悪化。それだけではなく、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中など、命に関わる重篤な症状にもつながります。まさに、真夏の紫外線は血流の大敵。そこでオススメなのが、アスタキサンチンを摂取することです」
アスタキサンチンは、リコピンやβカロテンと同じ自然界に存在する色素で、ビタミンEの1千倍もの抗酸化力が魅力。活性酸素を抑え、過酸化脂質が作られるのを予防する。
「血管そのものを丈夫にする働きもあるので、血流改善には最適といえるでしょう。さらに、免疫細胞を保護する作用もあるので、紫外線でダウンした免疫力もアップします。アスタキサンチンが豊富に含まれているのは、サケ、エビ、カニ、イクラなどの赤い食べ物。ぜひ献立の参考にしてください」