「冬は一年でもっとも糖尿病が悪化しやすくなる季節。ただでさえ寒さで血管が収縮しているところに、お正月休みの生活習慣の乱れが加わることで血流はドロドロに!すい臓に届く血液量が減り、インスリンの分泌も悪くなるので、血糖値のコントロールがしにくくなってしまうのです」

 

そう話すのは、順天堂大学教授・小林弘幸先生。そこで今回は、お正月の糖尿病悪化を防ぐための知恵を、小林先生に授けてもらいました。

 

【お酒の飲みすぎは脱水症状を招く】

「アルコールは脳の『抗利尿ホルモン』の働きを抑制するので、何度もお手洗いに行くはめに。さらにアルコールの分解には大量の水分が消費されますので、お酒を飲みすぎると2つの意味で体内の水分が奪われます。これでは血流はドロドロですね」(小林先生・以下同)

 

【夜更かし厳禁】

「興奮状態が続くことで交感神経が過剰に働き、血管を収縮させるので、血流は滞りがちに。過去、私が患者さんの自律神経を調査したところ、交感神経が過剰に優位な人ほど、糖尿病になりやすい傾向がありました」

 

【インスリン感受性が低下】

「米シカゴ大学の調査では、睡眠不足が糖尿病の発生リスクを増大させることも明らかに!睡眠が4~5時間程度だと、8時間たっぷり眠ったときと比べ、脂肪細胞がインスリンを受け入れる感受性が30%も低下していたのです」

 

【食欲にも影響が!】

「同大では、睡眠不足のときは甘いクッキーや塩辛いスナックなど、太りやすいものを食べすぎてしまう傾向にあることも指摘しています」

 

【お正月こそたっぷりとした睡眠を】

「お正月にお酒を我慢するのは難しいものですが、早寝早起きを心がければ、暴飲暴食は自然とおさまるはず。また、たっぷり眠れば、インスリンの働きもよくなるので一石二鳥。先の実験結果から考えれば、8時間ぐらい眠れるといいですね。そして、元気に新年をお迎えください!」

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