「厚労省のデータによれば、65歳から69歳の方が認知症になる確率は1.5%。その後5歳ごとにほぼ倍になり、85歳では27%になります。確かに、加齢によって認知症のリスクが高まるのは私たち誰もが避けられないのですが、生活習慣の改善によって、かなりの割合でそれを防止することは可能です」

 

こう話すのは、医学博士の大西睦子先生。2007年よりハーバード大学で、食生活や遺伝子と、老化や肥満などの関係の研究に従事してきた。現在はボストン在住で、健康に関する正しい情報の普及に努めている。

 

日本の認知症患者は、約462万人。その予備軍も含めると、およそ800万人ーー。厚生労働省の統計によれば、そんな衝撃的な数値が明らかになっている。誰にとっても身近な存在となった認知症。しかし、生活の工夫で、その予防ができるとしたら……?そこで、大西先生が「認知症にならない人のための若返り習慣10」を教えてくれた。その前編として5つを紹介。生活習慣を改善すれば、認知症を防ぐ助けになるという。

 

【習慣1・1日1杯の赤ワインを飲む】

「国際的な基準によると、1日にワイングラス1杯、日本酒0.5合、ビール中瓶半分程度のアルコールなら、むしろ認知症の予防になると報告されています。週1回休肝日を作れば、1日にその程度の飲酒はいいでしょう」(大西先生・以下同)。特に赤ワインに含まれるポリフェノールは認知症の予防効果があるとされており、おすすめ。

 

【習慣2・散歩はお化粧をして毎日違うコースで】

「定期的に運動すると、心臓と血液循環系の機能がよくなります。そして、コレステロールを下げ、健康的な血圧を維持することに役立ち、認知症のリスクが減ります。特に散歩は骨や筋肉が丈夫になるので転倒のリスクも減るし、ホルモンも活性化されてポジティブな影響を与えますから、ぜひ実践してみては。また、散歩をするときお化粧をしていくと、近所の人に話しかけられても自信を持って答えられますし、ホルモンも活性化するからいいですね」

 

【習慣3・おかずは主食、ご飯は添え物のつもりで】

「九州大学の研究によると、大豆、野菜、海藻類、乳製品を多く摂取し、かつ米の摂取が少ないと認知症になりにくいことがわかっています。おかずは主食。ご飯は主食の添え物くらいの気持ちでバランスを取ったほうがいいかも」

 

【習慣4・緑茶を1日1杯以上飲む】

「お湯を沸かして緑茶を急須で入れる行為は手や頭を使いますし、緑茶に合った食べ物を取ろうと思えば、自然とインスタント食品などではなく、煮物や魚といった自然な食品を取るようになる。それらの要素も認知症予防と関係がありそうです」。金沢大学の山田正仁教授の研究チームによると、緑茶を1日1杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて認知症のリスクが約3分の1になるとのこと。

 

【習慣5・カラオケで歌って踊れる持ち歌を作る】

「カラオケは自然とボイストレーニングにもなりますから、喉頭の筋肉が鍛えられて、声の強度が保たれる。すると、自然と人と話すのも楽しくなるんです」。若いころから慣れ親しんだ昭和歌謡はもちろん、ピンクレディーやキャンディーズなど懐かしいヒット曲を振付とともに覚えて披露すると、一気に人気者になっていっそうカラオケが楽しくなりそう。

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