「欧米には『冷え』にあたる言葉がなく『日本人のとくに女性に多い症状』といわれることが多いようです。つまり『冷え』は日本人の“国民病”ともいえるもの。それなのに、誤った『冷え対策』をしている人が多いのです」
そう警鐘を鳴らすのは、冷え対策の第一人者・東京有明医療大学教授の川嶋朗先生。
「あらためて言うことでもありませんが、冷えは万病のもと。体が冷えると血流はドロドロになり、酸素や栄養素が運べなくなるほか、老廃物もたまりやすくなります。また、体内の酸素の働きも鈍るので、食事で得た栄養素の分解が滞るなど、新陳代謝や免疫力もガタ落ちに。遺伝子の修復や活性酸素の除去も滞るので、どんな病気が起きてもおかしくありません」
具体的には、コリや痛みなどの不快な症状から、お肌のくすみ、シワ、うつ、メタボ、不妊症、がんといった重篤な症状まで、冷えがもとで起こりやすくなる。そこで、あなたの冷えレベルをチェック!次の10項目から当てはまるものにチェックを入れ、合計数をだしてみよう!
1.夏でもあまり汗をかかない
2.冷房が苦手だ
3.目の下にクマができやすい
4.頭痛持ちである
5.肩がこりやすい
6.腰やひざに痛みがある
7.下痢または便秘になりやすい
8.生理痛がつらい、または生理不順である
9.月経前症候群(PMS)の症状がある
10.イライラしやすかったり、やる気が出ない
0点の人・あなたは冷えと無縁の理想的な状態。1〜3点の人・自覚はないかもしれませんが、あなたの体は冷え始めています。4〜7点の人・本格的な「冷え体質」になりつつあります。8点以上・かなり危険な状態です。
暦の上では大寒を迎え、ますます厳しい寒さが予想される。冷えが気になる人には、川嶋先生の「長風呂の間に」冷えとりエクササイズがおすすめ。
1.浴槽の中で体育座りをし、両膝をつけて足全体をグーッと内側に引き寄せる
2.両手を胸の前で合わせて、力を込める
3.座ったまま両腕を抱きかかえ、腰をひねる
4.首を固定した状態で、左手で左側頭部(前、側頭部、後頭部)をギューッと押さえつける。右側も同様に
1〜4すべてのエクササイズは、各10秒ずつ3セットを目安に。1日おきに行う
「筋肉の伸び縮みを伴わない『アイソメトリック運動(静的運動)』を続けると、『超回復』といって筋肉量が増加します。当然代謝もアップするので、冷えとりにはぴったり。ぬるめの長風呂でじっくり外から温めつつ、代謝自体も上げましょう」(川嶋先生)