「患者さんに、“普通に立ってください”というと、ほとんどの人が、背筋をピンと伸ばした“気を付け”の姿勢をとります。しかし、この背筋を伸ばす姿勢こそが、腰痛や肩こりといった、体のあちこちに不調を生み出す原因となっているのです」

 

これまで腰痛や肩こりに悩む多くの人たちは、背筋をピンと伸ばす姿勢が正しい姿勢だと思っていた。ところが、実はこれが体にとって“悪い姿勢”だと指摘するカイロプラクターが現れた。神奈川県藤沢市で「デイリーエコケアステーション」を営む佐藤厚代表(37)だ。

 

「これまでやったほうがいいと思っていたことをやらないこと(笑)。まず、胸を張って顎を引かない。背筋をピンと伸ばすために、無理に肩を開いて、腰を反らさないこと。首、肩、腰の筋肉が緊張した状態になるからです」

 

8年前から筋肉を緊張させない脱力姿勢、いわゆる“ちょい猫背”が健康にいいと研究を続ける佐藤さん。現在、年間7千人以上の患者を施術する、文字どおり“姿勢力学”のスペシャリストだ。では、具体的にどんな姿勢が体にいいのか?佐藤さんに聞いた。

 

「いちばんのポイントは、常に力を抜いた状態にすること。ハァ〜ッと息を吐くと力が抜けて、筋肉が緩みます。ちょっと猫背に感じるくらい背筋を緩めましょう。最初は違和感があるかもしれませんが、背中が大げさに丸まることはありません。とにかく筋肉を緊張させない脱力姿勢を習慣づけることですね」

 

体の不調を改善するのは、背筋をピンと伸ばした“気を付け”姿勢ではなく、ちょっと猫背の“脱力姿勢”という新理論。

 

「日常生活で、これを身につければ肩こり、首こり、腰痛、頭痛などで悩む人は格段に減ると思います」

 

さっそく今日から、“ちょい猫背”な生活をやってみてはいかが?

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