「腸の中で生まれる『エクオール』は、女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きをします。そのためエストロゲンが激減するためにおこる、ほてりや発汗、不眠などの更年期障害、骨の密度の減少による骨粗しょう症、さらにはシワや肌荒れなどを『エクオール』が改善してくれるのです」

 

そう話すのは。順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。大豆に含まれるポリフェノール「大豆イソフラボン」が更年期の症状の改善や美肌などに効果があることはよく知られている。この「大豆イソフラボン」にはいくつか種類があり、そのなかの「ダイゼイン」が、腸内細菌の助けを借りて作り出すのが「エクオール」だ。

 

そんな女性の健康と美容に大きな役割を果たしている「エクオール」だが、実は、作れる人とそうでない人がいるという。

 

「詳しく説明すると『エクオール』を作るために必要なのが、腸の中にいる『ラクトコッカス』という乳酸菌です。この『ラクトコッカス』は、すべての人が持っているわけではありません。日本人ではおよそ半数。つまり、日本人の2人に1人は、『エクオール』が作られず、健康のためと大豆製品をせっせと食べても、十分な効果を得られないのです」

 

しかも気がかりなのが「エクオール」を作れる人が減っていることだと小林先生は語る。

 

「欧米では3人に1人しか『ラクトコッカス』を持っていません。約半数が持っている日本人ですが、食生活の欧米化、さらには抗生物質の乱用によって『エクオール』を作れる日本人が減っているのです。それを防ぐために、発酵食品や食物繊維を多くとったり、和食中心の食生活にしたりして腸内環境を整えることを心がけましょう」

 

「エクオール」を作れる体かどうかは、簡単にチェックできる検査方法があるそう。また、サプリメントも販売されている。大豆製品をいくら食べても効果がない、という人はぜひ試してみてはいかが?

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