「がんの発症には遺伝子リスクも関係していますが、DNAは生活習慣によって、傷つきもすれば修復もされるもの。まずは日々の生活の見直しをしましょう!」
そう語るのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。国立がん研究センターによれば、がんの多くは生活習慣によるものだそう。血流をよくすることは、体を健康に保つ基本。免疫力も高まり、がんになりにくい体をつくれると小林先生は言う。そこで、がんを防ぐための血流習慣を教えてもらった。
【血流習慣1】唾液を増やしてがんを退治する
「血液と同じ成分からできており、健康に深く関わっている唾液。実はがんを防ぐ力も備わっているのです。それは、ラクトペルオキシターゼという抗菌物質のなせる業。なんと、この物質には添加物や焦げなど、発がん性物質を無力化する働きがあるのです!そのためには、食事はできるだけよくかんで食べること」
【血流習慣2】座りっぱなし生活をやめて、免疫力を上げる
「ドイツ・レーゲンスブルク大学の調査によると、座りっぱなしの生活を続けている人は、がん発症リスクがなんと66%もアップ!部位別にみると、大腸がんのリスクは24%、子宮がんは32%、肺がんは21%アップすることがわかっています」
【血流習慣3】便秘を改善し、大腸がんを予防
「食生活の欧米化により腸内環境が悪化したことで、増加しているのが大腸がん。いまや、女性の死因ナンバーワンです。便秘になりやすい女性は便が腸内で固まって出にくくなっています。この場合は不溶性の食物繊維よりも、水分を多く含んだ水溶性の食物繊維を摂りましょう。水溶性食物繊維が多いのは、ワカメやモズク、里いもや長いもなどのネバネバ・ヌルヌル系食材」
【血流習慣4】むくみ腸を解消する大腸がん予防エクササイズ
「大腸がんの予防には、外側からのケアも大切です。おなかを絞るエクササイズで、腸のむくみを解消しましょう。ウエストのいちばんくびれているあたりを左右からつかみ、息を吸いながら全身を反らせます。次に、息を吐きながら手で前へギューッとおなかを絞り、上体を前に倒しましょう。目安はだいたい5〜10回です」
【血流習慣5】ぬるめの長風呂でNK細胞を活性化
「体が冷えると全身の新陳代謝が滞り免疫力が低下、がんを発症しやすくなってしまいます。いちばんの解決方法は、腸の中から温めること。39〜40度程度のぬるま湯にゆっくりつかれば、腸内温度が上がり、血流が大幅にアップ。全身の冷えが解消されます」
【血流習慣6】「1対2」の深呼吸と「浅呼吸」でがんをよせつけない
「免疫力を上げるには、自律神経がバランスよく働いていることが重要です。そこでもっとも簡単な方法が呼吸です。疲れがたまったときは鼻から5秒かけてゆっくり吸い、10秒かけて口から吐く、『1対2』の深呼吸を行うことで副交感神経が活発に」
あなたも「血流習慣」を身につけて、がんにならない体をつくろう!