今、まさにこのコラムを椅子に座って読んで下さっている方。もしかして、いつもの姿勢よりも頭をグッと下げ、首の後ろが伸びきっていませんか?

 

「そのような前のめりの姿勢を続けていると、本当はアーチ状になっている首の骨がまっすぐになる『ストレートネック』になりやすくなります。この姿勢、最近、電車の中や街角でよく見かけませんか。そうです。スマホやケータイをしている人は、まさにこの姿勢ですね」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。今、この姿勢が原因で起こる頭痛が急増していることは、案外知られていないという。

 

「それが緊張性頭痛です。頭全体が締めつけられるような鈍い痛みがあるのが特徴で、ストレスや睡眠不足、さらには長時間、同じ姿勢でデスクワークする人などに起こります。日本人の4割が頭痛を持っていますが、そのうちの90%が緊張性頭痛です。これは首を通る血液の流れが滞り、首や肩に乳酸がたまることから頭痛を引き起こすと考えられています」

 

そもそも人の頭の重さは、大人の女性で4〜5キロほど。それが「ストレートネック」になると、正しい姿勢よりも3倍の負荷がかかるという。15キロもの重量を首が支えたら、肩や首が悲鳴をあげるのは当然だ。そこで、ケアの方法を教えてもらった。

 

「美容院で洗髪後に、首筋に蒸しタオルをあててもらうことがありますよね。まさにそれです。首には頭痛のセンサーがあり、ここを温め、血流をよくさせることでずいぶん改善されるはずです。ご自宅でやる場合は、電子レンジ(500W)で5分間温めたぬれタオルをあててもいいでしょう」

 

仕事の合間にできる、こんなストレッチも。

 

「まず、首を横に傾けます。手のひらを傾けたほうの反対側のこめかみ部分にあて、首と押し合う動作を繰り返す。これを左右おこなうのも効果的です。無理をせず、ゆっくりと行ってみてください。首のコリが和らぐはずです」

 

頭痛が長く続くようだと、大動脈りゅう、脳腫瘍などの重大な病気が隠れている可能性あり。頭痛が1週間続いたり、めまいや吐き気があったりする場合は、すぐに専門医に診てもらう必要が。

 

「頭痛は異変の表れです。そのサインをしっかり受け取り、早めのケアを心がけましょう」

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