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「この時期、自律神経の乱れからくる『秋の不調』を訴える患者さんが急増します。体がだるい、眠れない、下痢や便秘が続く……。冷房や冷たい飲み物の取りすぎによって起こる夏バテの症状は、酷暑のピークが過ぎると、徐々に回復します。しかし最近では、それらの症状が秋になっても続いたり、より深刻化したりするケースが増えているのです」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部教授で、自律神経研究の第1人者・小林弘幸先生。

 

「ウーマンウェルネス研究会」が20〜50代の女性390人を対象に実施した「夏から秋の不調」に関する調査では、53.8%が「不調を感じる」と回答。そのうちの9割が、夏の不調が回復せず秋になっても続いていると答えている。

 

「本来、四季のなかではもっとも過ごしやすいはずの秋。ところが朝晩の寒暖差、台風による気圧の変化が、自律神経が乱れてしまった体に、追い打ちをかけてしまうのです。この夏バテが長期化した『秋の不調』は、食欲不振、内臓疾患、不眠や肥満だけでなく、感染症にかかりやすくなったり、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしたりします」

 

そのまま放っておくと、代謝が悪くなり老化が速まったり「うつ」になることも。『秋の不調』を克服するには、自律神経のバランスを整えること。規則正しい生活、しょうがやとうがらしなど体を温める食材を中心にした食事。適度な運動や半身浴なども効果的。とにかく、血液の流れをよくして、全身に新鮮な酸素と栄養を送り込むのが最善の方法だという。そこで、お手軽なのが……。

 

「『ためいき』です。幸せが逃げていくと、ネガティブなイメージがありますが、『ためいき』は、自律神経のバランスを整え、血流を改善してくれます。できるだけ長く息を吐きます。するとその後、入ってくる空気が自然に多くなります。自律神経のバランスが崩れているときは、呼吸が浅く、体内の酸素が不足します。『ためいき』をつくことで、新鮮な酸素が多く取り込まれ、血流に乗ってすみずみの細胞にまで運ばれるのです」

 

結果的に『秋の不調』で過剰な交感神経の動きを抑え、末梢の血流もよくなるという。心と体をリセットしてくれる『ためいき』で、幸せを呼び込もう!

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