薄くスライスしたしょうがを、酢に漬け込んだだけの、その名も「酢しょうが」。この食べ物が今、大注目を浴びている。きっかけは、’16年1月に放送された情報番組だった。タレントの小堺一機(60)が10日間、食事に酢しょうがを取り入れたところ、血管年齢が17歳も若返った、と驚きの効果を報告。話題となったのだ。
「漢方にも使われているしょうがと、発酵食品である酢。両方の健康成分が合体した酢しょうがには、たくさんの効能があると考えられます。たとえば、血液をさらさらにする効果もそのひとつです」
そう教えてくれたのは、番組で酢しょうがの効能を紹介し、本人も大のしょうが好きという、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生(35)。
「番組では、当院の患者さん3人に協力をしてもらいました。10日間、生活スタイルは変えずに、ただ酢しょうがを毎日、食べてもらうようにしたんです。そうしたところ、血圧、中性脂肪の値がみな、大幅に下がりました。そして体重については、全員が1キロ減少していたんです」(石原先生・以下同)
石原先生によれば、酢しょうがにはしょうがと酢、それぞれの有効成分が詰まっているのだという。まずは、しょうがの成分から解説してもらおう。
「しょうがには、辛み成分であるジンゲロールとジンゲロン、ショウガオールという成分が含まれています。これには、毛細血管を開く作用があります。これによって血液のめぐりがよくなり、体が温まります。血行がよくなると、肩こりや頭痛が緩和されます。脳の血流もよくなるから、認知症の予防にもなると考えられています。もちろん、冷え性の改善にもつながりますよ。また、免疫力を高める作用も含まれていますから、疲労回復や花粉症予防にも効果があります」
さらに、すべすべ美肌になる成分もあるのだとか。
「しょうがに含まれる亜鉛は、別名『セックスミネラル』と呼ばれていて、女性ホルモンの分泌を増やします。肌がきれいになったり、女性らしい体つきになったりといった、うれしい効果があるんです」
しょうがだけでなく、酢にも多くの有効成分が。
「酢に含まれる酢酸は、体内に入るとクエン酸に変わります。血糖値の上昇を抑えるため、糖尿病や生活習慣病の改善が期待できます。また、クエン酸には脂肪を燃やす働きもあります。さらには腸内環境を整えることで、便通がよくなり、便秘の解消にもなります。新陳代謝も活発になるので、疲労回復のスピードが格段に上がります」
それからこの時期、忘れてはいけない酢の効果といえば、殺菌作用だ。
「インフルエンザや風邪のはやる時期は、体のバリア機能として働きます。そして、体が吸収しにくいカルシウムやマグネシウム、ミネラルの吸収を助ける働きも。体にしっかりカルシウムを取り込んでくれるので、骨粗しょう症の予防になります。神経を静めてくれるので、イライラや不眠にもいいですね」
しょうがも酢も、それぞれ体にいい食材。その2つがガッチリとタッグを組んだ「酢しょうが」は、女性にうれしい効果が満載だ!