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「筋膜リリースをすると2週間ほどで体が楽になったことを感じます。さらに2週間で周りから見てもわかるようになります。1カ月で姿勢がよくなり、顔のたるみがなくなり、若返ったねと言われます」

 

筋膜リリースを提唱しているのは、理学療法士で医学博士の竹井仁先生だ。今、ちまたで大ブームなのが、筋膜リリースと呼ばれる体操。従来のストレッチは筋肉を一方向に伸ばすものだが、筋膜リリースは、さまざまな方向に動かして優しく筋膜のよじれを解きほぐすもの。

 

「肩こりや腰痛、顔のたるみは、患部をもみほぐすだけでは、根本的に治すことはできません。筋膜に生じたよじれを正常にするために筋膜をリリースすることが必要です」

 

筋膜とは、筋肉を包む薄い膜のこと。ボディスーツのように全身を覆っていて、「第2の骨格」とも呼ばれている。筋肉を正しく動かすには、この筋膜がスムーズに動いていることが大切だ。

 

しかし、ずっと同じ姿勢をとっていると、筋膜が部分的に寄り集まり、隙間を圧迫、圧縮してしまうので、脱水症状のような状態になり、基質がゼラチン状にかたまってしまう。このように自由度を失ってしまった状態を筋膜の機能異常(よじれ)という。

 

「筋膜に機能異常が生じると、その異常をほかの部分でかばおうとして、広い範囲へと筋膜異常が広がってしまいます。さらに筋膜自体が自分の力でほぐすことができなくなり、支障が出てしまうのです」

 

筋膜リリースは筋膜のつながりを考え、筋膜のねじれやよじれを直し、筋と筋膜の正しい伸張性を回復させるものなのだ。そんな、筋膜リリースの中から、竹井先生が「顔のたるみを改善する表情筋リリース」を教えてくれた。

 

【1】頭が体の真ん中に乗っていて、頭の上を糸で引っ張られている感じでイスに座り、腕を肩の高さに上げてまっすぐ伸ばして10リリース(そのままの状態をキープ)。膝は股関節よりも高くなるように座る。腰は曲げないように。

 

【2】肩の高さに上げた腕を、胸を広げるように横に持っていき、止めて10秒以上リリース。

 

【3】2からあごを喉元に引きつけたまま、ひじを支点にし手のひらが前に向くように、曲げた腕で肩甲骨を起き上がらせるように顔の横に持っていき10秒以上リリース。

 

【4】あごは引いたままで、最大限の笑顔になるように口角を思いっきり引き上げ10秒以上リリース。

 

【5】4の笑顔から目を大きく見開いて10秒以上リリース。腰が反ってしまったり、あごが上がらないように注意。

 

【6】顔全体が左右上下に大きく開くように、口も大きく開いて10秒以上リリース。

 

「ただ、悪性腫瘍や動脈瘤、急性期のリウマチ様関節炎などの場合は、筋膜リリースをやらないほうがいいですね。また、終了後は、常温の水をコップ1〜2杯飲むことも大事です」(竹井先生)

 

慣れてくればリリースの時間を90秒以上にするのがおすすめ。1日朝昼夜の3回がベスト。勢いをつけたり、無理に伸ばしたり、痛いのを我慢しないこと。早速、顔のたるみに効く、筋膜リリースを実践してみよう!

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