「パンやパスタ、スイーツが好き。運動はあまりしない。そしておなかポッコリのあなた、糖尿病に匹敵する“かくれ高血糖”かもしれません!」
そう指摘するのは“血管の名医”池谷敏郎医学博士だ。4月28日発売の著書『健診・人間ドックではわからない!かくれ高血糖が体を壊す』(青春出版社)でも、見つけにくい高血糖に警鐘をならしている。そもそも糖尿病と“かくれ高血糖”との違いとは?
「糖尿病は空腹時でも血糖値が高いので健康診断で見つけることができますが、かくれ高血糖では、食後2~3時間で血糖値が急上昇し、急下降する“血糖値スパイク”が起こるため、健康診断では血糖値の高さが発見できません」(池谷先生・以下同)
血糖値の急激な変動により、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などを起こしてしまう。
「血糖値が正常な人に比べて、かくれ高血糖の人の死亡リスクは2倍になるといわれています。体内の活性酸素の増加などにより、がんの発症リスクも上がります。また、多量のインスリンのために脳内の不要なタンパク質を分解する働きが低下し、アルツハイマー型認知症にもなりやすくなる。かくれ高血糖は単なる糖尿病予備軍ではなく、すでに立派な病気なのです」
近年急激に増加し、日本人女性の3人に1人が、かくれ高血糖にあてはまるという。
「見た目は若くても、血管の中は“メタボ親父”という女性が増えているんです」
あなたも知らないうちに、かくれ高血糖に――!?朝食を抜く人は、昼食のボリュームが多くなりやすく、食後血糖値の急上昇を招くことに。
「池谷家の朝は、無糖コーヒーと、りんご&にんじんジュースで必要最低限の糖質と、十分なミネラルとビタミンを補給。しかも“立ったまま”(笑)。食事中から糖の吸収は始まるので、血糖値の上昇を抑えるためには、食べながら運動をしてもいいぐらいなんです。この“立ったまま食事”は、脚の筋肉を使う、ちょっとした運動になり、食べている間から糖を
燃やせるので、かくれ高血糖対策にうってつけです」
血糖値をクールダウンさせるには、「食後に軽い体操か、入浴を」と池谷先生。
「お風呂に入るのには、軽い体操をするのと同じくらいの効果があります。だから入浴は食事の後がオススメです。立食パーティ風に“立ったまま食事”をしてみたり、暮らしの中で高血糖予防を、ぜひ楽しんでみてください」