「特にこの数年、目の上下のきわまでアイラインをしっかりする女性が増えました。自分をキレイに見せたいという気持ちも理解できますが、それもドライアイの原因になっていると思いますね」
そう語るのは、後藤眼科医院院長の後藤英樹先生。昼夜目を酷使する現代人の“目のトラブル”は増加するいっぽうで、今年から7月3日は「なみだの日」と呼ばれることになった。提唱したのは「ドライアイ研究会」だが、なんと日本人の約2,200万人がドライアイ患者であるという研究報告もあるという。しかし後藤先生はこう続ける。
「2,200万人というデータは、10年以上前に発表されたものです。当時は携帯電話も、いわゆるガラケーでしたが、現在はスマートフォンが急速に普及しています。スマホが発するブルーライトは、目に負担をかけますから、ドライアイ人口は当時よりもさらに増えているでしょう。男性よりも女性の患者さんが多いともいわれています。なかには自分がドライアイだという認識がない人も多いと思います」
ドライアイとは、涙の量が少なくなったり、涙の性質が変化したりして、目の表面に障害を引き起こし、視力低下や目の不快感を生じることを指す。
「空気が乾燥するときに発症する冬の病気というイメージもありますが、実は夏こそ注意が必要です。夏は紫外線が強くなりますし、エアコンの使用により室内はとても乾燥しているからです」
では、ドライアイを防ぐために具体的にはどうすればいいのだろうか?そこで、後藤先生が教えてくれた、ドライアイの防止法を紹介。
■目の周りを温める
蒸しタオルなどで目を温めると目の筋肉がほぐれ、涙も分泌しやすくなる。ホットアイピローや目専用の使いきりの温熱シートなどでもOK。
■目薬を適切に使う
ドライアイ専用の目薬もある。ただし規定の回数以上にさしたり、量を多くさしたりすると、目の表面のタンパク質を洗い流してしまうので、逆効果に!
■目のストレッチをする
まぶたにギューッと力を入れ、パッと力を抜く、通称「ギュッパ・ストレッチ」を。涙腺が刺激され、目に潤いを与えてくれるとともに、目の周りの筋肉もほぐせる。
■エアコンのある部屋にこもりっきりにならない
ときどき部屋から出て、目が乾燥しすぎないように注意することも大切。
■ブルーライトをカットできる眼鏡を使う
パソコン、スマホ、テレビなどから出ているブルーライトの光は網膜にまで届き、その刺激が目の負担となる。ブルーライトをカットできる眼鏡をかけたり、必要のないときはパソコンやスマホを使用しないこと。移動時もスマホではなく、本や新聞を読む習慣を。また夏は紫外線が強まるので、外出の際はサングラスや帽子で、紫外線を避けること。
■深呼吸でリラックス
緊張状態が続くと涙が出にくくなるので、深呼吸などをして、リラックスを心がけること。園芸など土いじりも癒し効果が高く特におすすめ。家庭菜園でブルーベリーやブロッコリーなど、目にいいといわれている植物を育ててみると一石二鳥!?
今年の夏は、ドライアイ防止のために、「ウルウル生活」を心がけよう!